忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

現実逃避は面倒なので現実のほうが逃避してくれないものか

 

 仕事が毎日楽しいです。

 

顧客「この製品、使用条件から外れて使っても大丈夫ですか?」

私「もちろん駄目です」

顧客「分かりました」

私(聞かなくても分かることでは・・・?)

 

 仕事が毎日楽しいです。(自己暗示)

 

内規に書いてあるからさー・・・

 私は機械の技術屋で、基本のお仕事は設計なのですが、分掌上『顧客への技術サポート』なる仕事も私の業務に含まれています。言葉の意味が幅広過ぎて業務内容や権限や責任がさっぱり分からない仕事です。

 そんなわけで、弊社の営業を通してもしくはお客様から直接に技術的あるいはそれっぽい問い合わせが来るので、それに対して『技術サポート』なる回答をしています。

 

 下手に詳細を書くと情報漏洩に繋がりかねないので書きませんが、大体週に5件くらいぶっ飛んだ問い合わせが来ます。まあ、つまり、毎日来るということです。仕事が楽しいというのは嘘ではないのですが変な問い合わせが来ると少し辟易してしまうのもまた事実なのです。

 冒頭のは可愛いレベルですよね。私にはこれが『技術サポート』なるものだとは思えませんけど、幸いにもすぐ引き下がってくれましたし楽な部類のやり取りです。大抵の場合は「そこをどうにか!」と粘られますので。どうにもならんから条件を制限しているというに

 製品の使用条件というのは「この条件の中で使ってください、それ以外では使っちゃいけませんよ」という約束事であって、そこから外れていいかと聞かれればノータイムでNOと答える他無いわけで。

 非防水の腕時計を「水中に沈めてもいいですか?」と聞くようなレベルの話です。そりゃもう駄目に決まってるのです。

 

最近の問い合わせ(抜粋)

営業「メールで電子ファイルを添付して送ってください。あ、同じ電子ファイルを2個送ってくれませんか?」

私「いや、勝手にコピーしてください、ガードかかってませんので」

営業「あ、その手がありましたね」

 

システムエンジニア「こういうシステムを作りたいんですけど、どういう設計をすればいいですか?」

私「それを考えるのがシステムエンジニアの仕事だと思いますよ?」

 

営業「本当に申し訳ないんですけど、この製品でこんな不具合が起きていまして。どうすればいいですか?」

私「本当に申し訳ないと真剣に思って欲しいんですけど、それは他社の製品で、しかも私の扱っている製品群とはまったく別の製品ですよね?どのくらい違うかと言うと、飛行機の翼を設計している技術者に、近くにあるからといってエンジントラブルのことを聞くようなものですよこれ」

 

営業「この製品を売る時に何か注意事項はありますか?」

私「そうですね、まず、その製品の担当技術者に聞くことだと思います。私はその製品の担当技術者ではありません」

 

顧客「このデータの数値、気のせいかもしれませんが間違えてませんか?」

私「気のせいです。いえ、こちらの落ち度であればむしろ良かったのですが、本当に気のせいなので率直に言っていいものか戸惑います」

 

顧客「とにかく困っているので助けてもらえませんか?」

私「助けたい気持ちは山々なのですが、今のところ私が受け取れている情報はそちらが困っていて焦っている、ということだけですので、とりあえずせめて何に困っているかを教えてください。相談内容を書き忘れていらっしゃるようで」

 

営業「先ほど電話した件、メールで回答お願いします」

私「先ほど電話をしていないのですが、どの件ですか?」

営業「え、さっき電話したでしょ?」

私「いや、誰と話したんですか、ホラーですか?」

 

営業「質問が2点あるのですが、この書類はこういう意味でいいですか?」

私「質問が1点しかないようですが、それで大丈夫です」

 

営業「この製品が動いていない時は止まっていますか?」

私「禅問答かな?」

 

 

結言

 よく分からない問い合わせは設計業務の阻害要因以外の何物でもないのですが、とにかく色々な問い合わせが来るため退屈する暇もありません。

 ある意味面白いのがむしろ困るところです。

 ・・・いやあ、仕事が毎日楽しいです。(遠い目)

 まあ、変な問い合わせが無ければもっと仕事が楽しいんですけどね。(本音)