肥満率が高いとよく言われるアメリカですが、実際にアメリカへ行ったところ、本当に肥満の人が多くて驚きました。ベルトの上にお肉が乗っているなんて優しいレベルではなく、シルエットがほとんどハンプティダンプティになっている人もしばしば見かけたくらいです。
アメリカサイズの比較用として、TシャツをS・M・Lでそれぞれ入手してみました。
私の体格だとSが全体的にちょうどよいです。Mは着れますが、お腹周りがブカブカです。Lはもう全体的にブカブカです。大きなお腹に使うであろう生地が大量に残るため、横にも縦にも大量に生地が余ります。私の身長が低いとはいえさすがに余り過ぎです。
なぜそこまでアメリカの肥満率が高いかと言えば、食事そのものの違いも大きいとは思います。
アメリカでは揚げ物や肉、芋や加工食品が手に入りやすく、野菜はちゃんとしたレストランでサラダを頼むか野菜を使う中華料理や和食を食べるなど意識して求めないとまともに摂取できません。私がここ数日投稿してきた渡米日記の料理写真を見てもらうと分かるように、とにかく全体的に茶色です。最終日にサラダを頼んだのは肉が重いと想定したのに加えて、野菜に飢えていたことも理由です。
そんな野菜を取らない食生活では太るのも当然だと思われます。
そして食事そのものに加えてもう一点、アメリカの食文化が肥満の原因だと考えます。
アメリカ人に話を聞いた結果から、日本人がアメリカに行った場合は向こうの文化に早く適応しないと太ると思いました。
食べ物を捨てることへの忌避感
少し伝統的な価値観ではありますが、日本人は食べ物を捨てることへの忌避感が存在すると思います。ご飯は一粒残さず食べるものであり、出された料理は残さず食べるものであり、必要以上の料理を作らないで適量を用意して無駄なく消費することが美徳だと、そのような価値観は未だ強く残っていると言えるでしょう。
これは必ずしも世界で一般的な価値観ではありません。有名な話として中国やスペインでは供された食事を少し残すことが客人のマナーです。食事を残すことは貴方のサービスに充分満足したことを表しています。
アメリカでも食事を残すことが普通の感覚です。頼んだ料理の半分を平気で捨てる光景を実際にたくさん見かけました。
これはマナーではなく、アメリカ的な合理性から来るものです。
私「なんでアメリカの料理はこんなにたくさん出るの?」
米人「少ないと足りない人が満足できないだろう、多ければそれだけ多くの人が満足できる。食べきれない分は捨てればいい」
私「食べ物を捨てるのはもったいなくない?」
米人「でも食べ過ぎると体に悪いだろう?だから食べられないなら捨てたほうがいい」
つまりアメリカのように様々な人種が居て様々な体型の人が居て個々人の差異が大きい社会の場合は万人に合う適量を提供することがそもそも難しく、大量に提供される料理から自身で適量を判断して消費することが合理的で正しいとされています。
資源に余裕があり浪費を厭わない地域だから出来ることとはいえ、確かにこれは人間を基準とした一つの合理性です。
資源に余裕が無い社会では全体の調和を考えます。無駄な消費は誰かの損失となり、過剰な浪費は資源の循環を阻害するものです。すなわちそういった社会では自然を基準に考える傾向を持ちますが、資源に余裕があるのであればそのような考えにならないのは当然のことなのでしょう。
もちろん加減を調整するのは個人の管理能力に依るため、上手く自己管理出来ない人は食べ過ぎてしまい太ることになります。食事の質・量ともに太る可能性が大いにあるのがアメリカの食文化だと私は認識しました。
結言
以上より、日本人的感覚を残したままアメリカに行くと、馬鹿みたいに山ほど提供される油と肉と芋と砂糖で出来た食事を「残してはいけない」と全て食べることになり、あっという間に太ると思われます。
それを避けるためには食べ物を捨てることを認める、すなわち郷に入っては郷に従うことが必要です。
余談
あとは単純に、いつもお菓子を食べているのもアメリカ人が太る理由だと思いました。