忘れん坊の外部記憶域

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モチベーションが低い時に100点を取ることのススメ

 モチベーション(やる気・意欲)を高める方法についてはビジネス誌や情報サイトで様々な手法が述べられています。

 モチベーションは高い状態を維持したほうが優れたアウトプットを期待できますので、モチベーションを管理してアウトプットの最大化を図ることは効率性を重視する個人や組織のロジックとして自然な発想でしょう。

 対価が支払われない形で組織が個人のモチベーションを高めるよう強要することは一種の「やりがい搾取」になりかねないと思ってはいますが、とはいえ競争社会において効率性を重視することを否定する理屈もありませんので、なんにせよバランス次第だと思います。

 

 そんなモチベーションですが、個人的にはモチベーションが高い状態を維持する方法よりも、モチベーションに頼らない状態が理想的だと考えています。

 

モチベーションが低い時に100点を目指すことのススメ

 モチベーションが高い時に100点を取れる状態、これは持続不可能な状態です。

 人は大なり小なり気分屋です。振れ幅は人それぞれですが気分にムラが無い人はいません。よって常にモチベーションが高い状態を維持することは現実的ではない以上、どれだけモチベーションが高い状態を維持しようと努力しても不定期に100点を逃すことになり、どこかで穴埋めのための無理が必要になります。

 これは言い換えれば収入よりも出費が多く家計が赤字で、短期アルバイトの収入で凌いでいるような状態です。若いうちはなんとかなるかもしれませんが、体力が低下すれば維持できなくなります。

 

 モチベーションが中立の時に100点を取れる状態、これは悪くはありませんが、理想的ではありません。

 モチベーションが高い時に100点以上を取ったとしても、その成果はモチベーションが低い時に100点を取れなかった不足分の穴埋めとして消化されます。

 これは言い換えれば収入と出費のつり合いは取れているものの貯蓄ができない自転車操業の状態です。そのため何かしら不測の事態が生じると持続性が損なわれます。

 

 モチベーションが低い時に100点を取れる状態、これは理想的です。

 どのような状況でも常に100点以上を取れるのであれば、調子が良い時に成果の貯蓄が可能になります。貯蓄された成果は不測の事態が生じた際の保険として利活用できますし、必要に応じて貯蓄を放出すれば他者の協力を得て様々な手管を実行可能になり、自らの負担を軽減することもできます。

 何よりも、貯蓄があり、そして貯蓄ができる状態、すなわち余裕がある状態は心身に優しいものです。これは持続可能な状態だと言えるでしょう。

 

結言

 100点は方便で、実際にどのラインを狙うかは人それぞれです。バリバリ出世をしたい人からすれば他者よりも成果を出して初めて先に立てるのであって100点は最低ラインです。プライベートを重視するのであれば100点を取らなくても合格ラインを割らなければ問題ありません。求められているラインと自らの好むワークライフバランスを上手く擦り合わせましょう。

 

 つまるところ、モチベーションに頼って高い成果を狙うのではなく、モチベーションが低い時でも必要な成果が出せるほど能力を磨き上げるほうが長い目で見れば楽をできる、それだけの話です。

 それが簡単にできれば苦労はしないと言われればそれはそうなのですが、世の中は「怠惰を求めて勤勉に行き着く」ものであり、楽をするためにはまず苦労をすることが必要になるのは仕方がないと思っています。