「シングルタスクのほうが効率が良いから仕事は並行してやらないほうがいい」
「メールを見る時間を決めて、それ以外はメールを見てはいけない」
というマルチタスクNGの意見が生産性向上に役立つとしてビジネス書やwebサイトなどで掲載されているのをよく見かけます。
これは仰る通りで、私もシングルタスク派です。間違いなく効率的ですし、ストレスも小さくなります。Getting Things Done信者としてもマルチタスクは絶対にやりたくありません。だから電話中を狙って私のデスクに緊急の案件を何個も置いていかないでください、電話中だと物理的にノーが言えないんです。
新人はマルチタスクのほうが良い
そんなシングルタスク派の私ではありますが、
新人はシングルタスクよりもマルチタスクで仕事をすることを推奨します。
まだ自分の仕事量や納期をコントロールできない新人のうちは業務をシングルタスクに整理することができません、シングルタスクは自分の仕事をコントロールできるベテランの仕事のやり方です。
新人は渡された仕事の規模をすぐには理解できません。30分で終わりそうと思ったら3時間かかることだってありますし、作業の途中で他社や他部署にタスクを割り振る必要がある場合はさらに時間見積りが難しくなり、必ず絶対に間違いなく新人の想定通りには進みません。
よって新人におススメする仕事のやり方は「仕事がきたらマルチタスクで即座に着手しろ」です。
報告書を書いている時に仕事を振られたら一度そちらに手を付けてください。メールを書いていて電話が来たらまずは電話の仕事を対応してください。調べ物をしていてメールが来たらまず読んでください。
予測力を高める
そして、仕事を始める前に必ずその仕事に掛かるだろう時間を予測してください。
この仕事の緊急度と重要度はどれくらいだろう、多分これくらいだからこうやって進めてこう終わらせるからこのくらい時間がかかるだろう、という感じです。
最初のうちは想定外の事態によって大きくズレるはずです。しかし繰り返していけばその予測精度は徐々に上がり、いずれは即座に正しい予測をすることができるようになります。この予測精度を上げるために、とにかくマルチタスクで仕事に着手すべきです。
別に完全に並行して仕事をする必要はありませんが、予測作業だけは即座に着手し、可能であれば第一手だけは動くことをおススメします。メールで来たならば「すぐやります」とか「明日やります」と返信するだけでOKです。新人から即座にリアクションが来ると仕事を振った側も「お、こいつアクションが早いぞ、やりおるわ」と特に理由もなく加点したくなるものです。仕事が進んでなくても点数がもらえるお得な評価の稼ぎ方です。
予測力が低いと・・・
シングルタスクに拘って、来た仕事にすぐに着手しないで仕事の予測精度を上げないとどうなるか・・・
■急ぎの仕事なのにすぐに着手しなかったので納期を過ぎてしまう
■すぐに終わる仕事なのに片付けなかったので仕事が膨らんでしまう
■規模が大きい案件の着手が遅れて仕事の山に埋もれてしまう
■予測が出来ないので自分の持っている仕事量がわからずにパンクする
仕事が終わらない、恐怖の悪循環に陥ることになります。
よく「無理な仕事は断るべき」というのもありますが、やっぱりそれもベテラン視点です。予測精度の低い新人は無理かどうかすら判断ができません。とにかく予測精度を上げることが最優先です。そうすれば仕事の流れや自分の成長を意識することにも繋がります。
まとめ
仕事は頼んでもいないのにひっきりなしにやってきます。ですので、すぐに終わる仕事は溜めこまないですぐに処理すべきです。そうしないとどんどん溜まっていってしまいます。その、すぐに終わる仕事かどうかを判断できるようになるため、最初のうちはシングルタスクに拘らずにマルチタスクで手を付けて、予測精度を上げていきましょう。