仕事や職場には多くの雑用があります。「雑」という言葉が入っていますが、大雑把でいい加減というような意味ではありません。いろいろなものが入り混じっているという意味で、お雑煮とか雑所得の「雑」です。
若手は雑用を頼まれることが多々あります。大したことのない面倒な仕事を頼まれるのは正直イヤなものです。「こんなことをするために就職したんじゃねぇ!」「自分でやれよ!」という気持ちも分かります。
なぜ若手は雑用を頼まれるのでしょう。理由は主に2つあります。
理由1:仕事で必要なことを学んでもらうため
どのような仕事でも付随業務が存在します。例えば【顧客との交渉】という本来業務にはアポイントや事前資料作成、移動、レポート作成、お礼の送信といったような付随業務、つまり雑用が付き纏います。つまり仕事とは多くの雑用から成り立っているのです。
若手はそんな付随業務である雑用の一部を渡されます。この雑用をこなしてもらうことで、仕事に必要なことや社会人として身に付けてもらいたいスキル、マナー、ルールを学んでもらいたいというのが上司や先輩の考えです。それは例えば段取りの取り方や仕事の手順、他部署とのコミュニケーションや帳票類の理解、納期の意識や報連相の方法といった様々なものです。
理由2:若手がやったほうが費用対効果が良いため
もう一つの理由はコストパフォーマンスです。上司の仕事は部下の仕事をマネジメントして、チームとして成果を出すことです。そのため優れたアウトプットを出せる人財や高給取りの部下にはそれ相応の仕事を割り振りたいと考えます。
雑用は大切な仕事ではありますが、「付加価値を産む」という点ではもっと必要な仕事があります。極論、実績と実力が証明されたベテランには「付加価値を産む」仕事に集中してもらいたいというのがマネジメントの観点からの本音です。対して若手はまだ実績と実力が証明されていませんので、いきなり若手に大きな仕事を任せるのはリスクがあります。まずは失敗しても問題無いところから任せて、徐々に仕事の幅を広げていくことを上司や先輩は期待しています。
若手だから雑用を押し付けて虐めてやろうという悪意では決してなく、”残念ながら若手の実績と能力では「雑用まで」しか頼めない”ということなのです。簡単な雑用を頼んでそれをどうこなすかを見て若手の実力把握をしたいというのがマネージャーの目的です。
若手が雑用を減らす方法
とはいえ、雑用ばかりやらされるのは面白くないでしょう。どうすれば雑用を減らすことができるでしょうか?
その方法とは、「雑用を全力でこなすこと」です。誰でもできる、簡単で、退屈な仕事だからといって手を抜くべきではありません。
雑用を頼んだ上司や先輩は、若手が雑用をどのようにこなしているかを見ています。成果物のクオリティが低い、納期に間に合わない、雑に仕事をしている、報連相ができていない、などといったことがあれば、「付加価値を産む」重要で難しい仕事はまだ頼めないなと判断せざるを得ません。
逆に言えば、雑用をバリバリこなすことができる若手にはもっと重要で価値のある仕事を任せてみようと判断します。
雑用を軽く処理できるようになること、実績と実力を積むこと、これが雑用を減らす最短かつ最適な方法なのです。