忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

カタカナビジネス用語に思うこと~伝わることが重要

 今日はふざけた軽い話。

 私の勤める会社は平均年齢の高いまったりとしたメーカーなので、外国語がみんな苦手です。苦手というよりむしろ使えない人のほうが圧倒的多数派です。なのでほぼ全ての会話が純日本語によって進められます。カタカナビジネス用語が飛び交うことはありませんし、言っても誰にも通じません。

ミーティング?会議のことか?

リスケ?何言ってんだ?予定変更?最初からそう言えよ。

ラップアップ?うるせぇ日本語で話せ!

ってなもんです。実に気楽でいいです。弊社は古き良きジャパニーズトラディショナルカンパニーでございます。

 お偉いさんがたまにカタカナビジネス用語を使った場合だけその言葉が社内で浸透します。と言ってもコンプライアンスとグローバル、後はエビデンスくらいですかね・・・コンセンサスすら怪しいかも。多分半分くらいの人にしか通じません。環境アセスメントだって環境影響評価です。私は日本語が好きなので後者のほうが好みです。

一応はグローバルにお仕事している

 とはいえ昨今のグローバル化、いや、これも国際化と言うべきでしょうか。弊社も一応国際化の波には乗っていて海外現法や生産工場もあることから、それらとやり取りする人間は外国語を使えます。使えますというか必死に覚えたというか、まあそんな感じの人が大半です。

 悲しいことに高齢のベテランは語学から逃げ切るつもり満々であり、外国語に関しては中堅が押し付けられている状況です。私も嫌々外国語を使っています。ホントに嫌なんですけど。私日本語すら怪しいんですけど。

 まあ定年も見えてきた歳になって今更語学を学ぶのも大変でしょうから逃げ切り態勢となるのは仕方ないとしても、英語の書類が読めないから和訳付けろというのは書類が倍になるので止めてもらいたいところです。Google翻訳なりDeepLなりでなんとかしてください。翻訳サイトが使えない?まずブラウザを立ち上げてですね、え、ブラウザが分からない?うーん・・・

薄っぺらな憧れ

 そんな感じの会社で働いていると使う言語が凄くクッキリと分かれるんですよ。国内でのやり取りは日本語、欧米は英語、中国は中国語と。せいぜい挨拶くらいしか言語が織り交ざることは無く、やり取りどころか書類すらピッチリと言語毎に分かれています。むしろ下手に言語を混ぜると通じなくなるので、かっちりきっちりくっきりと分離します。

 カタカナビジネス用語を使うのはきっとそういうのが無い会社なのでしょうね、誰もが日常的に英語に触れるような、近くの席に外国人が居るような、なんかそういう洗練されたグローバルな会社なのでしょう。高層ビルにあるお洒落なオフィスでスマートに仕事しているのでしょう。すっごいフワフワした想像ですけど。そういう仕事に僅かな羨望がないわけでもないですが、泥臭い技術職のほうが楽しいからなりたいとは思わないなー、くらいの凄くペラッペラで薄っぺらな憧れがあります。セロファン一枚分くらいの憧れです。

カタカナビジネス用語の好き嫌い

 カタカナビジネス用語は世間的には好き嫌いがあると思います。私の世代的にはそこまで嫌悪感を感じないのですが上の世代は結構嫌っている印象です。下の世代は子どもの頃から英語に親しんでいるため違和感無く使いこなしているように感じます。

 他社の人が使う時は合わせますが自社内では使わない身としては、特に好きも嫌いも無いという考えです。まあ時にうっとおしい感じがするのは分かりますけどね。エスカレーションとか「報告」でいいじゃんとは思います。コンセンサス?「合意」でいいじゃん。

 カタカナビジネス用語はつまるところジャーゴン、専門用語、業界用語に近いものだと思います。ビジネスマンならだれもが使うものだというのは大きな誤解で、使わない仕事は無数にあります。

 業界用語はステータスが低い人、つまり影響力や肩書が低い人が多用するという研究結果があります。その研究にどの程度正確性があるかは不明ですが、業界に詳しいのだと自分を大きく見せようとしたり権威のあるところに所属していることを主張するために業界用語を多用するのだ、という研究者の見解には納得がいくものです。よってカタカナビジネス用語が飛び交う業界の中であれば多用することに問題は無いでしょう。ただ業界の外であまり多用するとステータスを低く見られたり信用を損ねる可能性があるので注意したほうがいいかもしれません。

 そもそも業界用語は業界内でしか通じない言葉です。そして意思疎通は伝わらなければ意味がありません。なので相手に合った言葉を選んで使うことこそが最も良いコミュニケーションなのではないかと、仕事相手に合わせて言語を変えざるを得ない私としては思います。

 

 弊社の海外現法がこちらに合わせて日本語を使ってくれてもいいのにと、強く強く思うのです。

余談

 社内の若手にカタカナビジネス用語をいくつか聞いてみたところ、壊滅的な正答率でした。うーん、使わないことと知らないことはまた別なので、せめて知っておくくらいは・・・いや、高望みしすぎかな・・・