デキる人は仕事を頼むのが上手いが、デキない人は仕事を頼めない。
概ね救いのない話。
デキる人は仕事を頼むのが上手い
一般に「仕事がデキる人は周囲に仕事を頼むのが上手い」と言われます。
これは事実です。
どれほど優秀な人でも時間は有限であり、すべてを自分で抱え込めば成果は頭打ちになります。
さらに言えば、仕事には優先度と難易度があり、投入時間と成果は比例しません。低付加価値の雑務に時間を取られれば、どれだけ能力が高くても成果は伸びないでしょう。
そのような現実を知っている人は、仕事の構造を理解し、優先度と難易度を識別し、チームメンバーへ適切に仕事を割り振り、高付加価値かつ高難易度の仕事を受け持つことで効果的に仕事の成果を出します。
それができる人は「仕事がデキる」と判定されます。
また、仕事を適切に分解して処理しやすいよう加工した後に他者へ渡されるため、受け取った側から「仕事を頼むのが上手い」と評価されます。
仕事を頼める人の特徴
ただ、「デキる人は仕事を頼むのが上手い」の因果関係を考えると、少し残酷な現実が見えてきます。
仕事を頼む行為は単なるスキルだけではなく関係性の資本に依存します。
どれだけ処理しやすい形で依頼したとしても、関係性次第では仕事を受け取ってもらえません。相互に関係性への価値を感じているからこそ仕事を頼んだ時に受け取ってもらえるのであり、スキルよりも関係資本が積み上がっているかが重要です。
では関係資本はどう積み上げられるか。
それには容姿や人格、個性やタイミングなど因子は色々ありますが、最大の要因は返報性です。
単純に、デキる人は他人の仕事を手伝えるため、その信頼と恩返しによって頼みごとを受け取ってもらえるようになります。
なにせ仕事がデキる人は自分のタスク管理ができていて、他人の状況を把握する余裕もあり、仕事の構造や内訳を理解しているために全体でも部分でも手伝えて、さらには相手の負担を軽減する動きもできます。
そういった人は余力を持って他人の仕事を手伝っていますので、お返しとして仕事を手伝ってもらうことも頼める、それだけの単純な話です。
つまり、人に仕事を頼めばデキるようになるわけではなく、デキない人は仕事をそもそも頼めません。
厳しい現実ですが、仕事ができない人は仕事の整理や構造理解ができておらず、何を頼めばいいかも曖昧で、相手の負担も軽減できず、仕事を頼む行為が一方的な依存や負債となってしまいます。
そういった人からは周囲が距離を置くようになってしまい、関係性の資本を積み上げるのがさらに難しくなることでしょう。そうなるとさらに仕事を頼めず一人で抱え込むことになり、仕事がデキない負のスパイラルへ落ち込んでいきます。
結言
つまるところ、「デキる人は仕事を頼むのが上手い」は表面的な一般論です。
実際は次のような機序で成り立っています。
- 仕事ができる
- 他人を助けられる余裕ができる
- 他人を助けることで信頼が生まれる
- 信頼されているから頼みごとが通る
- 「頼むのが上手い」人に見える
つまり「頼むのが上手い」は結果であって原因ではありません。
よって「人に仕事を頼めばデキる人になれる」わけではなく、まずは仕事ができるようになることが最優先であり、そして余力を持って先に人を助けることが必要である、あまり救いはありませんがそれが現実です。
「人に仕事を頼む」のはデキない人ができるようになるツールではなく、デキる人がもっとできるようになるための方法論と言えます。