忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

ブログは良い睡眠に役立つ説

 やらかしてしまったこと、人から言われて気になったことが頭の中でグルグルしてなかなか寝付けない。

 私にはあまりそういう経験はありませんが、そういった話が語られているのは時々見かけます。

 寝る時に考えても仕方がないことですので思考から除外すればいいのではと思っていますが、ふと、そもそも思考を除外する術が一般的かどうかが気になったため、考えを整理しつつ述べていきます。

 恐らく大した話にはなりませんが、お付き合いください。

 

貴重な資質

 まずは前提として、振る舞いや言動を振り返り見つめ直す行為は立派なことです。それは目下の課題に正面から向き合う責任感の発露であり、その内省の姿勢は成長に不可欠な資質だと言えます。「悪いことなど忘れてしまえばいい」と無自覚であることよりも優れているでしょう。

 ただ、その貴重な資質を腐らせる必要は一切ありませんが、それに振り回されて睡眠不足や体調不良になってしまうのはとても勿体ないことです。良い資質は良く発揮できるよう、心身に支障が出ない程度にバランスよく取り扱うことが求められます。

 

内言と外言

 言語にはいくつかの分類があり、その一つに内言外言があります。

 内言・内言語・インナースピーチは学者によって様々な定義があるため一義的に説明することは難しいですが、基本的には音声や文字を伴わない言語活動で、一般的な言語である外言の形を伴わない言語以前の思考や概念を指します。対して外言は日本語や英語など、私たちが一般的に言語と呼ぶものです。

 

 内言は外言よりも柔軟であり、省エネで高速です。内言は完全に個人のものであり、外言のような厳密性を必要とせず自由気ままに好き勝手処理することができます。

 また、内言から外言への変換にはひと手間掛かります。分かりやすい事例としては『頭の中では浮かんでいるものの上手く言葉や単語が出てこない時のアレ』です。

 そのため、他者に思考を伝達する必要が無い場合、大抵の人は変換の手間を惜しんで省エネで高速な内言によって思考を取り扱うことが多いものです。

 

思考の外部化

 頭の中でグルグルしている思考は内言の状態です。

 内言は音声や文字に変換する手間もなく、非文法的に圧縮されて単語主体に短縮された言語であり、省エネで高速に処理できる代わりにしっかりとした形を持ちません。気体や液体と同様に流れ続けるため、一度気になってしまうと延々と頭の中で思考が回ってしまいます。

 それを止める方法は実のところ簡単です。頭の中でグルグルしている思考を具体的な外言に翻訳し、外部に取り出せる形にするだけです。外言にして思考を固体のように固めて外部に取り出してしまえば『思考がグルグルする状態』を解除できます。

 

 例えば、人に言われたことでイライラしている状態であれば、どのようなことを言われてなぜそれについてイライラしているのか、その言葉自体が嫌だったのか、それとも言った相手が嫌いなのか、シチュエーションの問題だったのか、気分の問題だったのか、他に理由はあるか、そういったことをただ外言にするだけで思考が固体化するため、頭の中でグルグルと思考が流れ続けることは無くなります。

 内言から外言への変換は私たちが日常的に行っていることであり、何も難しいことはありません。いつも通りのことをただするだけです。それだけで思考がグルグルする状態から抜け出せます。

 

ブログはいいぞ

 そう考えると、毎晩寝る前にその日あったことや日々考えていることを言語化して日記やブログに書くことを習慣化すれば、内言から外言への翻訳の練習になりますので良い睡眠の役に立つと言えるのではないでしょうか?

 実際、毎日思考を言語化してブログを更新している私は毎晩ぐっすり寝ています。思考がグルグルすることもなく、すぐにスヤスヤです。

 

 「エビデンスがない」「サンプル数がn=1しかない」「悩みが少ない可能性がある」「馬鹿」などなど様々な反論が想定されますが、とはいえ言語化技術の向上自体は日常生活にも役立つ便利なスキルですので、やってみるのはいかがでしょう?

 

 

余談

 ちなみに本記事でブログ連続更新800日に到達しました。驚きです。