ある目的に基づいて目標を立ててそれに邁進するという行動は個人においても組織においても一般的に行われるものです。順番としては【目的】を持ち、【方針】を決め、【方法】を考え、【目標】を立てるという手順を踏みます。
目的→方針→方法→目標
適当な例として高価なもの、家とか車とかを購入することを考えてみましょう。
【目的】は人それぞれです。好きな地域があってそこに住みたいとか、良い車に乗ってカッコつけたいとか、子供の成長を見越して大きな車が欲しいとか、千差万別です。
【方針】は目的に資するように定められます。高価なものを手に入れる方法としては貯蓄、ローン、強奪、窃盗などいくつかのやり方を考えることができますが、とりあえず今回の例え話では貯蓄を方針として選択してみましょう。もちろん窃盗を選んでも話は進められますが、悪いことは好みではないので・・・
【方法】は方針に沿って検討されます。日々の倹約を高める、保険や固定費を見直す、副業を始める、勤労をさらに勤しむ、転職する、など金銭の出入りを変えて貯蓄をどのように進めるかを、取り得る選択肢から選ぶことになります。
【目標】は方法が定まった後に立てられます。例えば食費を削って月5000円、保険と電気を見直して月10000円、合計で月15000円を貯金する、というように方法の結果が具体的になって初めて目標と呼ぶことができます。具体的でない状態のものは目標ではなく願望と言います。
見失うのは目標?
目的は内の欲求から定まる内在的なものです。方針は目的から定まる従属的なもので、方法や目標はさらに外部要因が関わるものとなります。そのため目的は内に存在して安定的であり、目標は外乱によって見失いがちなものだと思われることがあります。
しかし考えてみると目標は未来についてであり、方法や方針は未来から現在にかけての決まる事柄です。対して目的は最初に定まるものであり現在から過去に該当します。目的~目標までを順に固定していくと、時間軸としては目的が一番先にスタートラインへ置かれるのです。
よって、いざ目標を定めてスタートダッシュを決めたその瞬間から、過去となる目的はスタートラインに置いてけぼりとなり、走れば走るほどどんどん離れていってしまいます。目標はむしろ未来、向かう先にあるものなので見失いにくいものであり、実際は目的こそが一番遠くに離れてしまって見失いがちになるのです。
目的を更新する
ガムシャラに走り続けるのは悪いことではありませんが、目的はスタートラインに置いてきてしまっているため、時々は後ろを振り返って目的を見失わないようにする必要があります。
むしろ目的は定期的に見直して更新をすべきです、最初に設置した目的に囚われる必要はありません。前述したように目的は内在的なものであり、己の内から湧き出るものです。そして欲求というのは変化するものです。今の自分と去年の自分で欲求が異なるのは自然なことです。よって時には立ち止まって自らの欲求を見直し、もしも目的が変わっていたらそれに合わせて方針・方法・目標も見直す、そういった過程を繰り返すことで自らの欲することを真に達成することができます。
自らの目的を見直す
このブログは人に物事を説明するのが上手くなりたいという【目的】を持って始めました。説明が上手い人って知的でかっこいいと思うのでそうなりたいという欲求と、説明が上手くなれば後輩社員に仕事を教える効率が上がってお得だという欲求から定まった目的です。【方針】は何らかの媒体で実際に説明を繰り返すことで技術力を高めるということにしました。【方法】としてはSNSや動画サイト、音声プラットフォームなど様々考えましたが、マイペースにやれることと文章を書くのが好きなことからブログを書くことにしました。【目標】はたくさん更新することです。ただ延々と書き続けないよう、目標数値は一日一投稿としました。
しかし初めて数日の時点で、これは記憶力の悪い自分の備忘録として使えるじゃないかと思い、忘れるのは勿体無いから覚えておきたいという欲求から備忘録という【目的】が追加され、学んだことを記録しておくという【方針】も加わりました。【方法】と【目標】は変える必要が無かったのでそのままです。このように目標が変わらずに目的が変わることもあります。
他にも例えば、アクセス数を増やしてブログで収益を稼ぎたいという欲求が生まれれば、収益を上げるという目的、アクセス数を増やすという方針、SEOを意識したライティングという方法、一日何アクセスを目指すという目標などが追加されることでしょう。今のところは好き勝手書き散らすほうが楽しく自分の欲求に沿っているので考えていませんが、来年の私の欲求は変わっているかもしれませんからね。
人様からお金をいただけるレベルの文章ではない?ごもっともです。
別記事
目標が先か、方法が先かについては過去にも記事を書いています。