忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

技術屋の目線

ヒューマンエラーを防ぐには「余計なお世話」が役に立つ

余計なお世話、という言葉はあまり良い意味合いではありません。まあ”余計”という言葉が入っていることから当然ではあります。類語は「おせっかい」「ありがた迷惑」「いらぬ世話」といったところでしょうか。 確かに不必要だと思われる世話を焼かれることを…

技術屋に立ちはだかるコミュニケーション不全のストレス

技術屋って楽しい、エンジニア最高!と日々思ってはいるのですが、そんな記事を時々書いているとなんだか情報商材や健康グッズを宣伝しているような気分になるので、たまにはネガティブで愚痴っぽいことを書いてみましょう。何事もバランスが大切ですからね…

技術屋視点でのニュースの捉え方~推測ではなく事実を見る

世界が懸念していたロシアによる侵攻が起こってしまいました。2008年の南オセチア紛争、2014年のクリミア危機で国際社会が何も出来なかった結果を見せつけられているようで嫌な気持ちですし、このような暴力的なニュースを見るとどうにも気が落ち込んでしま…

人が居なければヒューマンエラーは起きないけど

人は必ず間違い(エラー)を犯します。マーフィーの法則よろしく、どれだけ日常的で、いかに朝飯前の作業と言えども、考えられないような失敗をするものです。 そんなヒューマンエラーを見ると必ずと言っていいほど話題に上がるのが機械化、コンピュータ化、自…

エンジニアの若手に求めているのは「お勉強できること」

技術とは多義的で幅広い意味を持っている言葉です。アート、テクニック、スキル、エンジニアリング、テクノロジー、サイエンス、クラフトなど様々な意味合いを含んでいます。今回はこの中でもエンジニアリング(工学技術)に焦点を当ててお話します。 エンジニ…

展示会に行きたーい!

「あの展示会、今年は行っていいっすか?」 「何言ってんだ、まん延防止も出てるのに。自粛だ自粛」 悲しみ。展示会行きたいのに。やだー!行きたーい!行きたいのー!と床に転がってジタバタしてみたら行けるかな?と思うも今後の社会人人生のことを考える…

ハインリッヒの法則に関する誤解

労働災害に関する経験則の一つにハインリッヒの法則というものがあります。製造業やインフラ、医療業界では馴染み深い言葉で、もはや常識と言ってもいいでしょう。 これはどのような法則か、一般的には次のような説明がなされます。 1件の重大な事故・災害の…

足らんものは足らんのじゃ

「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」という素晴らしい言葉があります。太平洋戦争中の日本の標語ですが、現代社会でも一部の方が金科玉条としてお持ちいただいていらっしゃるお言葉です。あまりにも素晴らしい宝石のような言葉ですので、後ろ足で砂をかけて埋め…

ある技術屋と機械の仕事

月に一度あるかないか、出荷後の製品を調査することがある。組立屋・アセンブリ屋が試験後に構成部品をバラして部品屋に返却し、個別の部品に異常が無いかを確認するためだ。私の担当製品には小さい部品もあることから時々そういった調査の依頼が来る。 「ま…

「で?」と「なんで?」の違い~思考力を鍛えるのに質問は役立つ

スポーツ選手にとっては鍛え上げた肉体が商売道具です。走ったり投げたりすることは人間の機能の一つと言えますが、スポーツ選手がそれで商売になるのは他の人よりも抜きん出た脚力や持久力、投擲力などを持っているからです。 エンジニアは思考力が商売道具…

だらだら仕事してみたい~技術屋の愚痴

私は技術屋ですが、ブログでは日常的な仕事の話はしていません。業務上の秘密を隠すのが面倒ですしそもそも何が秘密に該当するか判断するのが手間ですので、だったらまあ何も語らないほうが早いよねという考えです。実に普通で当たり前ですね。 とはいえたま…

役に立つかではなく、役に立てればいいのに

少し挑発的な記事タイトルになりました。 好奇心の乏しい若者にどう好奇心を持たせるかが昨今の私の課題です。もちろん”近頃”の若者だから好奇心が無いということはなく昔からそんな若者はたくさん居たことでしょう。かつての若者であった今の大人達にだって…

恐れるべきは間違えることではなく、間違いを認めないこと

人は必ず間違えます。悲しいことに必ずです。これはマーフィーの法則なんて持ち出すまでもなく自明なことです。なので間違えることは恐れる必要なんてありません。貴方も、私も、隣のこの人も、有名人のあの人も、誰もが間違えるのですから。 問題となるのは…

楽しく勉強するにはどうすればいいかと聞かれると、困る

私は勉強が好きです。技術屋はそういう人が多いと思います。というよりも勉強が嫌いな技術屋は残念ながら技術屋を長く続けることは難しく、何処かしらで知識の壁を乗り越えることができずにリタイヤせざるを得なくなる場合があります。そういう人を幾人も見…

考え方の参考になる概念【ローカルミニマム】

組み合わせの種類(変数)が多く、どの組み合わせにすれば最適かという問題を「組み合わせ最適化問題」と言います。 もちろん全部の組み合わせを試せば最適解を見つけることができます。しかし変数の数が多くなればなるほど計算量は膨大となり、現実的では無く…

技術屋から見た工場の仕事と人々

私は工場の隅っこの事務所で働くしがない技術屋です。ふと、もっと現場の具体的なことも書いてみようと思い至ったため、技術屋から見た工場について語ってみます。 工場と言っても作るものや規模によって中身は千差万別、まったく異なるものです。そのため同…

タマゴが先か、ニワトリが先か~新製品の開発における課題

ヒヨコが先でしょうか、それともニワトリが先でしょうか。 もちろんヒヨコです。 ・・・開幕ボケてますが、新製品の開発について一応真面目な話をします。 新製品開発におけるタマゴとニワトリ問題 昨今のグローバル化による市場激化と競合の増加、不安定な景気…

TRIZを使って積極的な問題解決を図ると楽しい

TRIZとは TRIZ(トゥリーズ)はソ連が開発してアメリカが発展させたクリエイティブシンキングです。問題解決や全体の最適化、新しい発明やシステム思考など様々なことに応用できるフレームワークで、英語では Theory of solving inventive problems(発明課題解…

物事の始め方や続け方に関する理系っぽい考え方

物事の始め方や続け方についてはビジネス書や自己啓発本などで様々な理論や理屈が説明されています。そんな中の一つとして理系・技術屋の私がどのような考え方、解釈をしているかを説明してみます。 理系を代表するほど真っ当な考え方ではありませんが、でも…

製造業は不良ゼロを目指すべきではない

昨今に限らず企業による事件や不正行為が発覚した際には多くの企業が襟を正して不正ゼロ、事故ゼロ、不良ゼロを謳います。もちろん法規制への不適合やコンプライアンス違反といったものは社会的に許容されるものではありませんので改善処置が必須です。しか…

他国から見た憲法の存在

政治に関しても時々話題にする私ですが、あまり触れたくない話題もあります。人それぞれ意見が少しずつ異なるような話題です。意見が紅白はっきり分かれていれば両論併記しやすいのですが、憲法やフェミニズム、経済のようなテーマは是々非々なところが多々…

仕事したくない心理を考える

もの凄く批判を受けそうなことから書き始めるのですが、私は就きたい仕事に就いてやりたいようにやっているので仕事がしたくないとはそんなに思わないです。うーん、各方面からお叱りを受けそうです。 そんな人間でも当然ながら「仕事したくないなー」という…

得意分野があると勉強が楽になる?

勉強はどうやってやればいいですか?と時々聞かれるのですが、まあ好きにやりなよとしか言えないもどかしさがあります。私の勉強方法、記憶術はそこまで人に推奨できるものではないからです。ちょっと参考程度に記録しておきましょう。 個人的な記憶法と弊害…

技術屋は情報収集のアンテナが重要

超大手ブロガーであるフミコフミオさんが新しい記事で「会社の長老がDXのことをデジタルトランスフォーメーションではなくデラックスと勘違いしていた」という笑い話(笑っていいものか?)を投稿していました。面白かったので会社の後輩に話してみたところ、…

企業の体質はトップによって決まる~技術屋から見た不祥事

製造業の不祥事が続いています。過去を遡れば極端に件数が増えたわけではないのですが、2017年の神戸製鋼のデータ改ざん事件を契機として大手メーカーが相次いで不正・不祥事を報告していることから日本の製造業全体の信頼度が低下していることは事実です。…

多忙は言い訳に過ぎない?~ヒューマンファクターの観点から見る

「多忙 言い訳」で検索すると、もの凄い量の「多忙は言い訳に過ぎない」「仕事ができない人の特徴」「無能」「出世できない」「駄目なオトコだから付き合ってはいけない」というような検索結果が出てきます。最後のは別の話なのでちょっと置いておいて、仕事…

日本人論の否定~理系の屁理屈

以前の記事でも書きましたが、「日本人は○○だから」という日本人論を私はあまり好んでいません。 別に人種云々みたいな政治的・イデオロギー的な話ではないです。私は日本が好きなので多少の贔屓目があるのは否定しがたいところですが、どちらかというと根拠…

工学屋から見た経済学への違和感

私は技術職の人間であり、つまるところ専門は自然科学や応用化学の分野が主となります。趣味は人文科学と社会科学の勉強です・・・それってどうなんでしょうね、色々な意味で。 そんな技術屋/工学屋の視点から経済学に関する違和感をちょっと語ってみます。 違…

確証バイアスをどう避けるか~技術屋の見解

自分の考えや仮説、信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集めて、反対する情報を無視したり集めようとしない傾向のことを確証バイアスといいます。認知バイアスの一種で、人間である以上避けにくい問題の一つです。 確証バイアス - Wikipedia 最近…