忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

技術屋の目線

「祈り」に対する捉え方

新年あけましておめでとうございます 今年もよろしくお願いいたします。 年始一つ目の記事には少し重いテーマですが、私が帰省する度にいつも思索へ浮かんでくる「祈り」について、少し考えを述べていきます。 幼い頃の思い出 「母さんはよくお祈りをしてい…

グローバリズムへの個人的な愚痴

久しぶりに愚痴っぽい記事。 先日思い付いたジョーク 「俺の語学力を見くびらないほうがいい、俺は英検三段だぜ」 たぶん勢いで誤魔化せると思います。 グローバルへの憧憬・・・の有無 下らない冗句はさておき、本題に入りましょう。 グローバルな仕事や国際的…

謝罪の暴力性、ヒューマンエラーの罪と罰、『間違い』と『過ち』の区分

謝罪ができる。それはとても立派なことです。当たり前のことのようですが、それがなかなか出来ない大人も世の中にはたくさんいます。 ですが、あえて言いますが、何でもかんでも謝罪するのは勘弁してください。 今回は間違いと謝罪に関する雑多な話をします…

主張をするのであれば、権威に語らせるのではなく自分の言葉で語ること

「稲森和夫が言うには・・・」 「ドラッカー曰く・・・」 「フリードマンの本によれば・・・」 このように、何らかの主張をする際に偉大な先駆者の言葉や結論をそのまま流用して語る人がいます。特にビジネスの分野で見かけることが多く、一部のライターや記事はこれ…

自分の運の善し悪しは自分が決めること:思い出語り

「私って運が良いんだよね」 「俺って運が悪いんだよな」 個々人の運の善し悪しはそれこそ確率的な問題です。10回中8回くらい良い事象を引ける幸運な人もいれば、10回中ほとんど悪い事象しか引けない人もいます。吉凶禍福は人知の及ばない天の定めるもの、と…

スピリチュアルで科学用語を使うのはなぜ?

理系の素朴な疑問。 スピリチュアル系にはまったく詳しくないので、詳しい方にご教授いただきたいと思っていることについて述べていきます。 理系的な態度 私の職場は機械系・電気系のエンジニアがゾロゾロと雁首を揃えており、「理系の巣窟」という空気感で…

サイレントチェンジの恐怖

サイレントチェンジは製造業で用いられている言葉の一つです。 本日はサイレントチェンジの概要と恐怖について、実際に製造業で働く技術屋の目線から語っていきたいと思います。 (前の記事) 工業製品における品質の考え方 職人が手作業で作るモノは一つ一つ…

空調冷熱業界と関連ニュースに関する雑感

ニュースを見ていて思い出した小話 ◆富士通ゼネラル、エアコン国内生産の再開検討 01年以来: 日本経済新聞 空調機器で有名な富士通ゼネラルですが、中国拠点は「富士通将軍」という名称です。勇ましくて結構好きだったりします。(Generalは日本語で全般的、…

善意の製造責任

製造物の欠陥によって損失が生じた場合、製造者の損害賠償責任を定めた法律が多くの国で存在します。日本でも製造物責任法があり、これは欧米に倣ってPL法(Product Liability Law)という名称で呼ばれることもあります。 SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任…

事象と問題はイコールではない

マメ科クズ属のつる植物である葛の繁茂を防ぐ際は、つるを引っこ抜いたり切ったりしても意味が無いことは常識です。 ・・・おそらく常識だと思います。 常識ではないかもしれません。 葛は痩せた土地でも凄まじい速度で成長する植物であり、表面的なつるを取り…

島津さんちの不適切行為に関する私見

2022年8月下旬、島津製作所の子会社において、医療用装置へタイマーを仕掛けて一定期間経過後に意図的な停止を引き起こし、故障を装って有償メンテナンスを行っていた疑惑が報道されました。 その件に対して島津製作所が調査を行った結果、保守点検業務に関…

日本政府のODAや海外投資に関する見解:「ばらまき」は言葉が悪すぎる

日本政府が海外へお金を出すと「海外にばらまくな」という声がメディアからもSNSからも必ずあがります。 普段は特定の意見に対して真正面からの反論はしないよう努めていますが、たまには明確に反対側の意見を提示してみます。 そもそもの拠出度合いと意味 …

部下の手柄は上司のもの、の意味が分からない世間知らず

世間知らずなポンコツ技術屋の疑問。 現実はドラマより奇なり? 先日、愛読しているブログの記事を読んだ際に少しカルチャーショックを受けました。 その部長は、手柄は上司、失敗は部下の責任という考え方。部下たちの言いたいことは通じません。 pleasantb…

教えたがりの是非:ヒューマンファクターの観点を交えて

人に何かを教えるというのはとにかく難しいことだと思います。特に昨今では「教えたがりおじさん」や「マンスプレイニング」というフレーズが存在し、その存在が忌避されている以上、おじさんは安易な気持ちで人に何かを教えるという行為をすべきではない時…

主語が大きいと少し悲しくなる:日本メーカーの品質に関して

私は製造業に勤める技術屋ですので、他社の品質不正や偽装、不具合情報をチマチマとチェックしています。特に第三者委員会や特別調査委員会が発行する調査報告書はなるべく目を通します。半分くらいは趣味ですが、自社で同じようなことがあったら困りますの…

若者には異なる意見に触れる機会を増やして欲しい

「今読んでるこの本なんだけどさ、多分君の感性に合うと思うんだよね。おすすめだよ」 「そうですか、ちょっと目次見せてください・・・これは確かに刺さりそうですね」 「だろー、多分ピッタリだよ。作者の思想はかなり片側に寄ってるけど、だからこそ面白いよ…

1円硬貨の材料費が1円を超えたら駄目では?

他所様の記事を批判的に直接取り上げるのはあまり好みではないので悩むところですが・・・一応は設計畑の人間として、話題にしたい気持ちには勝てず・・・日頃より愛読しております日経XTECHの記事を少しだけ語らせていただきます。 話の趣旨は分かるのですが 語り…

人文社会アカデミーと実社会を繋ぐ工学屋の必要性

私の趣味は人文科学と社会科学を勉強することですが、一応の本業は応用科学畑のエンジニア、つまり工学屋です。 工学の定義は長ったらしいのですが『数学と自然科学を基礎とし、時には人文社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物…

ヒューマンエラーは教育訓練や気を付ける程度では防げない

先日、車の運転中にカーブでハンドルを切り忘れて危うく事故るかと思いました。さすがに自分で自分のボケっぷりに驚きます。 ハンドルを操作し忘れるなんてことがあり得るのかと言えば、マーフィーの法則よろしくあり得るのです。これは根深いヒューマンエラ…

エアコンに関する小話『修理は難しい、悪徳業者、おすすめメーカー』

夏も近づき暑くなってきましたので、メディアやネットでは毎年恒例のエアコンに関する話題がたくさん出てきましたね。私も近しい業界でお仕事をしている技術屋・熱力学オタクとして、エアコンに関する小話をしてみましょう。 エアコン屋の回し者ではありませ…

三菱電機の品質不適切事案調査報告書はとても良いケーススタディだと思う

5月25日、三菱電機が品質不正調査の第3報を発表しました。報告書は今回も250ページ以上の大作で、1~3報全ての報告書を合わせると約750ページです。あと1,2回は報告書が出ると思われますので、合計で1000ページを超えることでしょう。超大作ですね。 ■品質不…

思索における車輪の再発明

研究者やエンジニア、デザイナーやクリエイターなど『考えること』が商売の人がいます。そういった人々は知識をたくさん仕入れてそれを思考に活用し、新たな成果物へ加工することが仕事です。 小売業の人が商品を仕入れるばかりで販売しないのでは駄目なよう…

心の形と断面二次モーメント〜工学屋の要らぬ思索

心が折れるという表現があります。心そのものがポッキリ折れるようなイメージを語感から持っていたのですが、よくよく考えてみると折れるという言葉は『棒や板が曲がって切れる』という意味です。つまり折れることができるということは、心の形が棒状や板状…

ホワイトボードを囲む姿は心を落ち着かせる

ある日、ふと職場のミーティングスペースを覗いてみると、おっさん3人がホワイトボードに絵を書き殴って喧々諤々の議論を行っていました。詳細は分からないですが何らかのトラブルがあってその発生原因を検討し合ってでもいたのでしょう。 その光景を見て、…

KYT(危険予知訓練)は意外と難しい

KYTという言葉があります。これは危険予知訓練(Kiken Yoti Training)の頭字語・イニシャリズムです。ローマ字と英語の頭文字を組み合わせたなんだかハイソな言葉ですね。昭和感が少し残っている気もしますが、何よりも分かりやすさが大切だということを教え…

ネガティブフィードバックを欲しがるエンジニア

当ブログにお越しいただき、あまつさえ賛同や好評といった肯定的なご意見を差し伸べていただける方がおりますことは幸甚の至りです。 さりながら、このような良好で興趣尽きない様相において述べるには好ましからぬことではございますが、披瀝いたしますと、…

技術屋の評価基準に関して~たまには愚痴を

ふざけた文章を書きたくなったついで、たまにはストレートに仕事の愚痴でも書いてみましょう。私は仕事が好きな変人ですし職場の人間関係にも不満は無いのですが、ただのちっぽけでチンチクリンなサラリーマンであり、てやんでぃべらぼうめ!と思うような愚…

図面が読めない購買によるコストダウンはろくな事にならない

製造業では部品や消耗品、原材料や副資材を購入する部門・部署があります。組織によって呼び方は様々で、購買、調達、バイヤー、資材といった名称で呼ばれています。この記事では購買で統一します。 今回は購買に対する技術屋目線での少し厳しい意見を述べた…

設計屋は社会の縮図のど真ん中、だからこそ面白い

技術屋とは単純に言えば技術で飯を食っている人のことを指します。 公共で語る際は技術屋ではなく技術職と呼んだほうがいいかもしれません。金や利権を得ることに熱心な悪い政治家のことを政治"屋"と呼ぶように、"屋"という俗称は軽蔑の意味を含んでいますの…

ヒューマンエラーを防ぐには「余計なお世話」が役に立つ

余計なお世話、という言葉はあまり良い意味合いではありません。まあ”余計”という言葉が入っていることから当然ではあります。類語は「おせっかい」「ありがた迷惑」「いらぬ世話」といったところでしょうか。 確かに不必要だと思われる世話を焼かれることを…