忘れん坊の外部記憶域

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なぜ属人化が発生するのか

 先日の属人性に関する記事の続きです。こちらが本題です。

 そもそもなぜ属人性が発生するのでしょう?原因と対策を考えてみましょう。

グローバル化による仕事の高度化・高速化

 技術の発展により、かつては何日も掛かっていた仕事が今でははるかに短い時間でできるようになりました。またグローバル化によりビジネスの競合相手も世界中になったことから、かつては「日本で一番」で良かったものが今では「世界で一番」でなければいけなくなりました。そのため仕事の難度と速度が昔に比べて遥かに厳しくなっています。

 つまり以前までの人材レベルでは通用しなくなってしまったのです。グローバル化によって競争の激化と人材選択の自由化が進んだ結果、残酷ですが抜きん出た個人の能力がより必要になる時代となりました。

 属人性を排除するということは誰でもできるように一番下の人に合わせることになりますが、それでは過酷なグローバルでの競争に勝てません。よって組織が生き残るため自然と仕事は属人性を帯びるようになります。

組織構成人員の減少

 少子高齢化やコスト削減のため、組織構成人員はかつてよりも減少しています。数人でやっていた仕事を1人でやるのも当たり前の時代です。

 1人で仕事をしている人が属人性を排除するでしょうか?

 マニュアルを作っても見る人は居ません。

 仕事を教える相手も居ません。

 仕事量は膨大になっており、時間もありません。

 そんな状況では属人性を排除する理由がありません。頑張って属人性を排除して誰でもできる仕事に変えても、代わりにやる人自体が居ないのですから。属人性を排除することに意味があるのは人員に冗長性があるか、もしくは入れ替わりが激しい場合のみです。

年功序列の崩壊

 かつては年齢を積み重ねていけばそれなりの給料や地位が保証されていました。しかし一部企業では年功序列は廃止されて成果主義が導入されています。それが必ずしも悪いというわけではありませんが、デメリットとして徒弟制度のようなOJTが適切に働かなくなるリスクがあります。なにせ後輩に手取り足取り教えて自分の仕事が全部できるようになったら、先輩は不要になってしまいます、というように考える人は自分だけのノウハウがあれば仕事を失わずに済みますので、仕事を教え渋るようになります。つまり仕事を属人化してしまうのです。成果主義の本来的な目的としては仕事を後輩に任せて手が空いた分さらに発展的な仕事をするのが理想ではありますが、自信や能力が無い人は必ず居ます。

対策

 これらの問題を解決して属人性を排除したい場合の対策、それは属人性を排除することを評価対象とすることです。今まで10時間掛かっていた仕事を1時間に減らし、さらに誰にでもできるように自動化した、といったような事を人事考課でちゃんと評価してあげなければいけません。

 これを評価せずに「9時間浮いた分別の仕事を入れられる」とただ業務負荷を追加するようでは、誰も属人性を排除しようとは思わなくなってしまいます。人に仕事を教えることがちゃんと評価されるのであれば教え渋る人は減ります。

 ・・・人手不足なんて言ってないで待遇を改善してもっと人を雇う、という手もあります。人手不足を解消したいなら死馬の骨を買うべきかと。