忘れん坊の外部記憶域

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若者よ、他責思考を使いこなせ!

 自責・他責という言葉があります。失敗や過ちの原因を自身に求めるか他者に求めるかの違いです。

基本的には自責思考が望まれる

 社会的には自責思考のほうが良いものとして好まれます。なんでもかんでも他責で考えていては自らをより良くしようとはならず成長に繋がらないからです。内省し、自らに不足しているものを考え、次はどうするかを検討し、必要なスキルを身に付ける。自責思考は自らを成長させる原動力となります。

他責思考のメリット

 しかしながら若者は時に他責思考になることも必要だと考えます。なんといっても他責思考はメンタルに優しいのです。なんでもかんでも自分の責任であり自分が悪いと思っていては心が摩耗してあっという間に病んでしまいます。自分で思っているほどに若い頃の心というのは強固なものではありません。まあ、歳をとったら強くなるというわけでもなく、鈍感になるだけではありますが。

 時には何かのせいにして愚痴を吐き、誰かのせいだと考えてストレスを回避し、世界のせいにして忘れてしまうことも必要です。メンタルの強さは筋トレと同じようなもので、耐えられる範囲の負荷はトレーニングになりますが過大な負荷は鍛えるどころか痩せ細らせてしまうのですから。

 特に環境が変わったばかりの若者には多大なストレスが掛かります。環境のことをまだ把握し切れていないうちから全て自責としていては到底耐えられるものではありません。もしかしたら本当に環境が悪い可能性だってあるのです。

他責思考のデメリット

 とはいえ全てを他責としていても良いことはありません。他責思考はメンタルに異常をきたさないよう吐き出す程度にしておき、基本的には自責思考を用いましょう。成長は若者の特権です、歳を取ると成長どころか悲しいことに衰える一方なのです。

 他責思考はメンタル面でストレスを軽減する効果がありますが、現実面では成長に繋がりません。また下手な他責思考はそもそも何の解決策にもなりません。あいつが悪い、こいつが悪い、環境が悪い、会社が悪い、社会が悪い、と思うだけ・言うだけでは何も良くならないのです。あいつが悪いと思ったってあいつが言動を変えるわけでもありませんし、環境が悪いと言ったって快適な環境に世界が変化するわけでもありません。

 思うだけ・言うだけはタダかもしれませんが、人は不平不満ばかりの人には協力したいとは思わず、ガムシャラで明後日の方向だとしても努力している人のほうを応援して手伝いたいと思うものです。周囲の人の協力を取り付けるためにも、少なくとも周りから見てネガティブだと思われない程度の言動をしておいたほうが無難です。

他責思考も使いよう

 他責思考のメリット・デメリットを述べてきましたが、他責思考は視野の面でも役に立つことがあります。

 自責思考はどうしても自己の内面ばかりを見てしまい視野が狭くなります。確かに何事も自身の考え方や捉え方次第ではありますので、それらを変えることで問題を解決することはできます。しかしそれは自己のみで完結する解決となります。表現は悪いですが独りよがりと言えるでしょう。

 反面、他責思考は直面している問題や困難に対して外部に何らかの原因を追究する方向です。そのため仕組みやルールに原因を見つけてそれを解消することが出来れば自分だけでなく他の人にも役立つことができます。思うだけ・言うだけではなく、実際に不平不満の対象を変革してしまうところまで行くのであれば他責思考も決して悪くはないのです。

 もちろん対象を変革するには様々な技能・能力が必要です。それらを身に着けるためにも自責思考を常として自らを高めることが望ましいでしょう。他責思考は必要に応じて、必要な分だけを使いこなしましょう。

まとめ

 要はどう考えるのが常に正しいというものはなく、時と場合によって使い分けることが大切だと言う事です。

 自責思考は成長に必須です。何事でも他者や環境のせいにせず、自らを向上して乗り切ろうとするには自責の考えを持たなければいけません。

 他責思考はストレスに押し潰されそうなときの息抜きとして使えます。あまり使い過ぎると毒ですが、多少であればストレスを軽減する薬のような作用があります。

 また他責思考を上手く使いこなせば、外部環境を批判するばかりでなく問題の根本原因を見つけることができるようになります。

 人はどうしても極端に陥りがちです。自分が悪いんだと厳しい内省に落ち込んで精神的に病んでしまう人もいますし、自分は何も悪くないと周囲に愚痴を振りまき続けるような人もいるでしょう。これはどちらもバランスを欠いています。自責と他責は必要に応じて使い分け、上手く使いこなすべきです。