忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

礼儀が大切であることは年を取ると分かる

 度々の言及ではありますが、人が成長するには能力(aptitude)態度(attitude)が重要です。能力は先天的なものが多くを占めるため気にしても仕方がありませんが、態度は後天的に備わるものであり、意思の力によって変革することが可能です。

(引用記事も同じような書き出しですねこれ)

 

 態度というと少しイメージが分かりにくいかもしれません。attitude(態度/考え方/姿勢)の類義語はpoint of view(視点/観点/見方/考え方)です。意訳的になりますが、「学び取ってやる!」という意思を持って物事に取り組むかどうかという、ものの見方や姿勢を意味しています。

 学びに対する態度があれば、人はいつ何時においてもどのような物事からでも学ぶことができます。今回は最近私がやっているゲームから得た学びを紹介しましょう。

 ・・・ゲームで遊んでいることを正当化したいわけではないですよ?それに娯楽は必要です。娯楽は心のビタミンなのです。

 

エアロバイクと音ゲーの相性

 元々Hearts of Ironで地理を覚えたようなニッチなシミュレーションゲームオタクだったのですが、最近は気力の衰えと時間の制約が大きくスマホゲーをちまちまやるくらいになっています。ヘビィなシミュレーションゲームは若くないと出来ないですよホント。残業から帰宅後、エアロバイクを漕ぎながらポチポチやるにはKindleで本を読むかスマホゲーをやるかくらいがちょうどいいのです。

 今遊んでいるのはDEEMO IIです。DEEMOやCytusといった音ゲーで有名な台湾のゲーム会社Rayarkの新作ですね、先月発売されたのでちまちま進めています。

 どうでもいい話ですが、エアロバイクと音ゲーは相性が良いんだか悪いんだか。ゲームのリズムに合わせようとすると自然と足も従ってしまうため、テンポの速い曲を連続でプレイすると終わる頃には汗だくです。あと画面が揺れないように肩肘張ってプレイしているので、ここ最近ずっと肩と背中が筋肉痛です。【もしかして:バカなの?】

 

礼儀は本当に大切

 さて、そんな感じでDEEMO IIをプレイしているのですが、イベントストーリーにおける言葉が気になりました。それはとあるおばあちゃんが若者たちに言った小言です。リプレイ機能が無いので言葉自体はうろ覚えですが、

「年を取ると分かる、人生において重要なのは「礼儀」と「見た目」だよ」

というような言葉です。それを聞いた若者たちは「また口うるさいおばあちゃんの小言が始まった」とばかりに逃げてしまうのですが、年長者の言うことは何かしらの含蓄があるだろうと考える癖のある私はこの言葉の意味を整理することにしました。

 まず見た目は分かりやすい話で、人の第一印象というのは影響が大きいものです。不評を買うような見た目をせず小綺麗な格好をすることは無用な損や要らぬ失点を避けることに役立ちます。

 少し難しいのは礼儀です。礼儀とは辞書的な意味で言えば人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式を意味します。特に敬意を表す作法を示す言葉で、エチケットやマナーにモラルをプラスした概念と言えるでしょう。

 若いうちは同年代の人との関わりが多く、対等な関係性が多いことから礼儀の意味がまだよく分からないものです。また若者は自意識がどうしても強いものですので、能力を発揮して結果を出せれば礼儀なんて必要ないと考えがちです。私も若い頃であれば礼儀が大切だよと言われても素直に聞けず、うるさい小言を言うもんだと思ったことでしょう。

 しかし社会に出て年を取ったことで分かったのですが、礼儀というのは実に重要なものです。この場合の礼儀とは形式ばったものではなく、相手へ敬意を持ち、それを明確に示すことを意味すると考えます。敬意から発露する思いやりを持った行動こそが礼儀なのです。これは年をとって多様な人々と関わりあってきた経験を持たないと理解し難く、若者にはまだ難しいかと考えます。こればかりは年の功というものです。

 

 例えば感謝を相手にしっかり示すことは非常に重要な礼儀です。感謝の気持ちを持っていたとしても相手に伝わらなければ意味がありません。私は貴方に感謝していますとしっかり自己表現できることはより良く生きるうえにおいて不可欠の技能です。

 また相手が誰であっても敬意を示すことが必要です。若者を軽んじたり飲食店で横暴なふるまいをするような、他者に無礼な態度を取る人間は信用を失います。信用は社会において最も価値あるものです。それが無礼であるという一点を持って無為に失われるのは極めて大きな損失といえます。

 さらに言えば礼儀を示せない人は組織においても迷惑な存在となります。職場において無礼な態度を取られた人はその無礼さが無意識かどうかに関わらず仕事のパフォーマンスが落ちることがジョージタウン大学の教授の調査によって分かっています。そもそも無礼な人には誰も仕事を依頼したくないものですし、上司が無礼な人であれば部下は病んだり逃げ出してしまいます。

 敬意を持って礼儀を示すということは極めて重要で、常に意識して肝に銘じておくべき事柄です。礼儀正しく思いやりのある人は自然と良い方向へ向かいます、そして無礼であることは百害あって一利なしです。

 

 このように、ゲームにおけるちょっとした言葉でもしっかりと自分で考えて捉えることで十分に学習効果を持つのです。いえ、ですからゲームをやっていることの正当化じゃないです。真面目な話のつもりなのです。

 Rayarkのゲームおすすめですよ。(唐突な宣伝)

 

余談

 コミュニケーションスタイルには3種類あります。

 まずは攻撃的自己表現、これは自身の主張を強く相手に押し付けるスタイルで、相手に対する敬意に欠けたものです。

 次に非主張的自己表現、これは自身の主張を押し殺して相手に合わせるスタイルです。一見相手に敬意を持って接しているように見えますが、自らに対する敬意に欠けています。

 最後にアサーティブな自己表現。これは相手の主張を聞き、自己の主張もしっかりと行うスタイルです。互いを大切にし、互いの意見に敬意を持ち合う理想的なコミュニケーションの形と言われています。礼儀を持って接するとはすなわちアサーションであることだと私は解釈しています。

 アサーティブコミュニケーションについても何か記事を書いてみたいですね。