先日、ついに抜歯をしました。
顎のサイズと歯の本数が合っていないため親知らずは当然の如くすでに全部抜歯済みなのですが、それ以外で永久歯を抜いたのは初体験です。
この駄ブログの雑記で度々歯医者の話題を出してきた程度には歯があまりよろしくないので日々歯医者に通っているのですが、相変わらず歯医者は苦手です。
さて、まあ悪い歯だったので抜くこと自体は良かったのですが、少し怖かったのが先生の態度です。
今回は優しい良い声のいつもの院長先生ではなく若い男性の歯科医さんの治療だったのですが、なんというか、とても朗らかで健康的でハキハキとしている好青年なのは大変に好感なのですが、もう少しですね、こう、なんというか・・・
「ん、滑っちゃうなー」
「あれ、上手くいかない、難しいな・・・」
「うーん、これどうしようかな」
「お、良い感じ良い感じ」
「よし、もうちょっと!」
すっごい不安になるので、少しお静かにしていただけますと・・・!
いや、進捗を共有してもらえるのは別にいいんですけどもね、「あともう少しですよー」とかその範囲であれば。こちらも心の準備ができるので。ただ、なんだか上手くいっていないとしても不安を煽るようなことはちょっと黙っていてもらえたほうが双方に幸せだと思うのですよ。
お医者さんと患者のコミュニケーションは「同僚間の情報共有」的スタンスではなく「問題なく臨床を終えられる」ことを目的として不安を生まずに患者の協力を求めるタイプの言葉を発したほうが、患者も大人しく耐えられると思いますので。
別に他意が無いことは分かっているので大人しくしますけども・・・なんと言いますか、「言わなくてもいいこと」よりは「言わないほうがいいこと」だと思ったり思わなかったり。
今回はすっごいドキドキしました、あまり良くない意味で。
恐怖体験の記憶
ちなみに、個人的に一番怖かったのが10年以上前に行った眼科です。
その時は目の調子が悪くて眼科に通っていたのですが、投薬ではなかなか治らずに仕事中に血涙が流れ出したので、急遽近くの別の眼科に行きました。
瞼の裏に異常があること、別の眼科に通って投薬していることを告げると、小柄で背中は丸まりつつあるものの眼光は今なお鋭い歴戦の猛者を思わせる老医師はさっと問診と検診を終えて即座に「ああ、結膜に癒着しちまってるな。こりゃ切っちまったほうが早え。よし、手術するぞ」と驚くほどの意思決定速度をもって手術の準備を始めました。
目の手術は普通に不安です。子どもの頃にやって痛かった思い出があるので、正直言って怖いです。先端恐怖症まではいかないものの目に刃物を近づけられるのは本能的に恐怖を感じます。
そんな気持ちの置き場も置く時間も無く流れるように始まる手術。
「大丈夫だ、すぐ終わる」
ああ、まあ、それなら耐えられるかな。
「ちょっと血が出るけど、抑えてればすぐ止まるからな」
なるほど、きっと先生にとっては慣れたものなのだろう。
「・・・よっと、よし、これでばっちりだ」
良かった、これで無事終わりか。
「・・・んー・・・あれ、血、止まんねえな・・・」
おーい、小声で今なんて言ったんだこの先生は。
「あれぇ・・・」
ひえぇ・・・
先生が思ったよりは長い時間が掛かったものの幸い血は止まったので無事に治療完了でしたが、一番怖かったのは刃物よりも先生の言葉でしたよ。
でも2カ月くらい投薬して治らなかった目の病気がその後すぐに完治したので、老医師の腕は実に確かでした。
結言
幸いなことに腕の良い先生に当たることが多いようでお医者さんに行って治療に不満を持ったことは今まで無いのですが、なんというか、心情的に不安を覚えることは幾度かありました。もちろん最重要なのは先生の技術と実際の治療結果であり問題があるわけではないのですが。
まあ、ただ、「先生、少しお静かにしていただけますと・・・!」