まだ連休中なので、まったりとブログを書いていきます。
かなり珍しいムーブ
過去にも記事で書いたことがありますが、何かをブログで紹介する行為が少し苦手です。
紹介したい、シェアしたい、そんな気持ちは人並みにあり、対面であればいくらでも紹介しています。ただ、ブログでそれをやるのはどうにも及び腰になります。
いくらこのブログが収益化していない趣味の雑記ブログと言えども、どうしてもブログやSNSはアクセス数やインプレ数、つまり表示回数がある程度念頭に置かれざるを得ない媒体であり、それを他者のコンテンツを持って得る類の行為は好みではありません。つまり人のふんどしを借りるような気分になるので、意識的に控えています。
この行為にどのくらいの羞恥心や嫌悪感を覚えるかと言えば、まさに「人のふんどし」を借りるレベルです。洗濯してあってもなんかちょっと生理的にイヤな、人がやっていても気にならないが自分がやるのはイヤ、そんな感じです。
いや、ふんどしは今までの人生で一度たりとも借りたことはありませんので想像ですけども。
とはいえお盆期間に堅苦しい話はしたくない気分ですので、軽いテーマとして珍しく他者のコンテンツを紹介してみます。
過去に数回ほどブログの紹介をしたことがあるので、今回はYouTubeチャンネルを紹介してみましょう。
合う人には凄く合うと思う
紹介したいチャンネルは社會部部長さんです。
8月14日、昨日ちょうど新作が投稿されていました。今回も力作で非常に素晴らしかったです。
社會部部長さんは 政治や文化、歴史や教育など真面目な題材を取り扱っています。教養系?と言えばいいのでしょうか、そんなチャンネルです。
動画の作りは非常に論文的です。
最初は問題提起から始まり、相対的かつ定量的なデータに基づいた自論の展開、想定される反論とそれに対するデータの提示、骨子が頑強な普遍性の高い論理構造、それら全てが実に論文的だと思えます。
特に新作の『フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?』はその特徴が非常に顕著です。
まずは高い評判を得ているフィンランド教育に対する問題提起から入り、なぜその問題提起がされているかのをデータに基づいて説明したうえで仮説を立てています。
その際は様々な著書や論文、PISAなどの国際調査による定量データを基にしています。
これはとても重要なポイントです。アテンションエコノミーの発展した現代ではどうしても感情に訴えかける論証が力を持ってしまいがちなものですが、ミクロな個人ではなくマクロな集団や社会問題を取り扱う際は客観的に評価された定量データに基づかねばなりません。そうでなければ人間個々人のバイアスがどうしても混ざってしまい論拠が不正確となってしまいます。
こちらのチャンネルではそういったバイアスを排除するため徹頭徹尾客観的で定量的なデータを用いられており、とても好印象です。
次に、想定される大量の反論に対して懇切丁寧に自論の妥当性を説明されています。
これは実に科学的思考に沿っており非常に好ましい点です。
「カラスが黒い」ことを否定するためには「全てのカラスを調べる」のではなく「黒くないカラスを見つける」ことが妥当なように、論理の頑強さは「どれだけ自論に沿ったデータを提示できるか」ではなく「どれだけ反対意見に対して揺るがないか」で定まります。
よって想定される反論を積み上げてそれに応じることは何かを論説する上で極めて適切な行いだと言えます。
最期に、教育の話から少し逸れて政治的な類似性や歴史的な知見を交えて自論の横展開を図っています。今回であれば教育の新規性に対する疑義から政治体制の新規性について述べられていました。
これは充分に客観的な論理を構築できているためにその論理が普遍性を獲得できていることの証左だと言えるかもしれません。論理の骨子がしっかりしているからこそ他の物事にも展開できるわけです。
下手な人がやると牽強付会になりがちな横展開ですが、社會部部長さんのチャンネルでは実に納得感のある味付けとなっています。
このように、とにかくしっかりとした流れに基づいて動画が作られている点が非常に私の好みです。
何かしらを主張する際はこのようなプロシージャに基づいて説明をすれば説得力を増すことができるでしょう。
論文的だと私が評するのはそのような意味です。
結言
私は「YouTubeでお勉強」みたいな話は眉唾と言いますか、いや教科書読もうよと思うタイプの人間ではありますが、「社會部部長さんのチャンネルを勉強に見ています」と言われたら納得せざるを得ません。それくらいに情報密度が高い動画をたくさん投稿されていて、非常に興味深いチャンネルです。
さらに言えば、社會部部長さんのチャンネルで取り扱っている題材は私に非常に刺さります。うちのブログでも取り扱ったことがあるテーマがいくつかありますので、うちのブログの読者さんであれば分かってもらえるかと思います。
ちょっと気軽に見ようとは思えない程度に題材は重く動画時間も長いのですが、気が向いたらぜひご視聴してみてください。
うちのブログを読める人であればきっと楽しめると思いますので。
ちなみに、私が一番好きな動画はこれです。
説得力が凄かったです。