「私の仕事ではない」ことと、他者の仕事を知っているべきかどうかは別。
もっと率直に言えば、次工程の仕事を把握していなければ適切なアウトプットは出しようがないという、当たり前の話。
仕事の話なので、概ねボカしたり変えたりしながら語ります。
他所の仕事を知っておくこと
以前にもブログで話題にしたソフトウェア開発の企画について、ちょこちょことプロジェクトが進んでいます。スケジュールは結構カツカツではありますが、とりあえずなんとかなる、といいな、と思っている次第です。ならないと困ります。
アプリケーション側の構想設計は企画兼務で私がやっています。本当は私の仕事では無いような気もしますが、他にできる人がいないので仕方ありません。
具体的な設計やコーディング、インフラなどは全て情シスとSIerの担当です。要件定義以降は専門家同士で進めてもらいます。
先日、SIerからの提案を内部で審議していたところ、クラウドやらセキュリティやらコンテナやらのインフラ系を説明中に意見が出ました。
「その辺りはよく分からないし、こっちが把握しておく必要はないんじゃないか?うちはアプリケーションの中身だけで、それ以外は情シスの範囲だろう」
私もITインフラはさっぱり知らない門外漢ですので分からない気持ちは凄く分かるのですが、首肯しかねます。
「いえ、たしかに情シスやSIerに動いてもらうところですが、我々もインフラを知っておく必要はあります。構成や拡張性が分からないと今後のシステム開発に支障が出ますので。都度都度インフラ整備をしていてはお金がとても掛かります。具体的にどんな中身になっているかは専門家に任せればいいですが、少なくとも今後いくつかシステム開発をして同じインフラに載せる予定がある以上、こちらの要望を伝えられる程度にインフラの全体像を理解しておかねばなりません」
私のような機械屋に分かりやすく例えましょう。
例えば工場や倉庫を新設する時は、立地や広さや価格だけでなく、将来の事業展開を考慮して多角的にデザインするものでしょう。「この倉庫にはこれを置く予定だから、建築屋のほうで後はよしなに」なんて雑な任せ方はありえません。
同様に、ITインフラだってちゃんと理解して考えるべきです。せめて将来的にシステム開発をどういう方向性で進めるかをちゃんとまとめて伝えて、目的に沿ったインフラになっているかを確認することは必須です。
結言
弊社はITに詳しい人が少なく、ありがちな話ですがシステムが基本的に全然統合されていません。さっぱり連動していないか、同じような仕事を別々のシステムで運用しているか、無理やり継ぎ足した違法建築状態のどれかです。
それを助長するようなインフラを追加するのは論外ですし、最近は情シスが統合を頑張っているので、その邪魔になるようなことは宜しくありません。
要するに、専門家に任せるにしても任せ方と態度はあるでしょう、そういう話です。
大抵の仕事はそれぞれの専門家が連携して協業することで進みます。
そして連携をするためには相手の仕事に合わせて適切なアウトプットを渡さなければなりませんし、そのためにも相手の仕事を知っていなければなりません。