忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

好きな【連載中の漫画】10選、10選は少ないって!

 はてなブログの特別お題「好きな◯◯10選」に挑戦したいと思います。私はなんでもかんでも好きな雑食人間ではありますが、何かを10選で選ぶとなればゲームか漫画、本、映画、ドラマ、webサイト、ブログ、歴史上の人物あたりを紹介したいです。うーん、全然絞れてないし、超インドア派だし。さりとてアウトドアの趣味で10選は相当詳しくないと難しくないですか?あ、スキー場10選とかならいけるかも。

 さて、ほどほどに悩んだ結果、一番気楽な気がしたので漫画を10選選んでみることにしました。とはいえ漫画は星の数ほどあり、古典を含めれば10選じゃとてもとても。100選あってやっとメジャー処が紹介できるかなというレベルです。

 そんなわけで、10選に絞り込むために【連載中の漫画】に絞って紹介したいと思います。それでも10選じゃ全く足りないのですが、涙を呑んで10選にしたいと思います。これは仕方が無いんです・・・はてなのお題が悪いんです・・・

 

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

好きな◯◯:連載中の漫画

アフィリエイト的なものは良く知らないので、Amazonのリンクをペタリと貼ります。Amazonの試し読みで読んでもらえると嬉しいです。そして買ってください。

 

片喰と黄金

既刊:6巻

 舞台は19世紀、アイルランドを襲った未曽有の大飢饉によって家族を失った少女アメリアとその従僕コナーが一攫千金を目指してゴールドラッシュのアメリカに移住し、カリフォルニアの黄金を目指してアメリカを東から西へ横断するという物語です。

 舞台設定は極めて過酷であり、主人公二人の経歴は極めて悲惨です。辛く苦しく無いわけがなく、それでも夢を追って現実と戦う主人公の歯を食いしばるような明るさに心を打たれました。キャラクター同士のコミュニケーションテンポが少し独特ですが、とても今風で漫画に慣れている方にはむしろ読み易いと思います。いや、漫画好きにこそぜひとも薦めたいです。

 ジョン・万次郎やセオドア・ジュダなど、アメリカ史に名を残す偉人達がチョコチョコ出てくるのもまた歴史好きには堪らないポイントです。

 

Pumpkin Scissors(パンプキン・シザーズ)

既刊:23巻

 戦災復興を名目に立ち上げられた”予算集め部隊””お祭り部隊”の帝国陸軍情報部第3課「パンプキン・シザーズ」が、野盗化した兵隊や傲慢な貴族、テロリストなど、戦災によって生まれた様々なものと戦っていく様を描いた物語です。

 第一次世界大戦くらいの技術力がある架空の世界を描いた漫画です。戦時ではなく戦災復興をテーマにした作品は珍しいというか、あまり主題になるところではないため大変に面白く感じます。単純な勧善懲悪物ではなく、戦争という絶対悪によって生まれた様々な存在との敵対を視点とし、善悪とは何か、戦災とはどのようなものか、貴族や身分とは何か、愛とはどんな形があるのか、そして正義とは一体何なのか、といった難しいテーマに真正面から挑んだ作品です。しばらく休載中ですが、続きをずっと待っています。

 

ハコヅメ~交番女子の逆襲~

既刊:18巻

 元警察官の漫画家が描く、少し異色な警察漫画です。

 この作品の魅力はとにかくリアルで等身大なキャラクター達とその織り成す人間ドラマです。シリアスとギャグが極めてバランス良く、さらにはちょっとした話が後ほどの極めて重要な伏線になっていたりもして、作者の構成力には驚かされるばかりです。あまりの伏線量とキャラクターの魅力に何度も読み返しては笑って泣いてを繰り返しています。一度読み始めると全巻読むまで止まらなくなる、それほどにテンポの良い作品です。少なくとも私は5周以上は読み返しました。新刊が出る度にまた1から読み返すでしょう。

 キャラクターはたくさん登場しますがそれぞれの個性が抜群に尖っているため、きっと読む人それぞれに好みのキャラクターが見つかると思います。私は副所長のおっさんが大好きです。なぜここまでおっさんに共感できるおっさんを描けるのか・・・作者の人間観察力が凄すぎます。

 

ヒストリエ

既刊:11巻

 屈指の名作「寄生獣」の作者である岩明均先生が連載中の作品です。舞台は紀元前の地中海世界、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスを主人公に、その半生を描いた物語です。

 まずそもそも紀元前のマケドニアを舞台としているだけでも歴史オタクとしては大歓喜です。そしてあえて歴史上の大人物アレキサンダー大王ではなく、その部下であるエウメネスを主人公に配置しているところに面白みを感じます。このような舞台設定で岩明先生の描く知的で冷静な主人公が活躍するなんて、面白くないわけがないんです。

 歴史オタクとしてはディアドコイ戦争まで描き切ってもらえることを祈るばかりです。まだ物語はアレキサンダー大王の遠征前、遥か未来のことになりそうですが。

 

ヴィンランド・サガ

既刊:25巻

 物語の始まりは11世紀のアイスランド、過酷な自然環境と略奪者であるヴァイキングが欧州世界を跋扈していた時代、ヴァイキングに父を殺された少年トルフィンは復讐のため、仇敵アシェラッドのヴァイキング兵団に所属することとなる、そんな復讐劇から始まるトルフィンの壮大な成長物語です。

 ヴァイキングという戦士の野蛮さと勇猛さが残酷な描写も含めてしっかりと描かれています。また、復讐から奴隷へ、成人してからも世界を旅し理想を追い求めるトルフィンの姿から「本当の戦士」とは何かを読者が見出す物語でもあります。さらには父から息子へ、そして人から人へ託される意思というものが丁寧に描かれており物語に重厚さを色濃く付け加えています。とても重層的で読み応えのある作品です。

 長期連載作品の常として、どのあたりのエピソードが好きだったかというのが分かれるということがあります。ヴィンランド・サガにおいては圧倒的に魅力のある敵役のアシェラッドが登場していた復讐編が人気の筆頭でしょう。私は父親のような「本当の戦士」にならんと努力する成人後のトルフィンも大好きです。

 

月刊少女野崎くん

既刊:13巻

  圧倒的ギャグ漫画です。とにかく可愛いキャラクター達が延々とボケ倒してツッコミ倒す、勢いとテンポが最高のギャグ漫画です。誰もがボケであり誰もがツッコミでもあることから展開のリズム感が良く、4コマ漫画で話の区切りが短いこともあってまったくダレることなく読み進めることができます。むしろ笑い過ぎて読むのに体力が必要なほどです、お腹が痛くなったら一休みを入れましょう。

 少女漫画を描く男子高校生という舞台設定も面白く、高校生の淡い恋愛模様も描かれていますので、少女漫画好きにも読んでもらいたい作品です。いや、少女漫画をあまり読まない人にも薦めます。むしろ誰にでも薦めます。それくらい面白い漫画です。

 

アルスラーン戦記

既刊:15巻

 大陸行路にある大国「パルス」はある時隣国の侵略に敗れ、王は捕らえられ、首都は占領されてしまった。戦を生き延びた若きパルスの王子アルスラーンは、仲間の助けを借りて祖国を取り戻すために戦う。古代ペルシャに近い世界観を持ったファンタジー作品です。

 「鋼の錬金術師」「銀の匙」などの名作を作り上げた荒川弘先生が描く、田中芳樹先生のアルスラーン戦記コミカライズです。好きな作家と好きな作家の合作とか、それはもう大好きということじゃないですか。百姓貴族も大好きですが、歴史オタク的にはこちらで。他所でコミカライズしている銀河英雄伝説(藤崎竜×田中芳樹)とどちらを推すか迷ったのですが、歴史系の流れ的にはこちらかなーと・・・どっちも読んで!原作の小説も読んで!

 若きアルスラーンの真っ直ぐな成長がとても好ましく、癖の強い個性的な部下達がなぜ付き従うかに説得力を持たせています。王やリーダーの理想形の一つと言えるでしょう。歴史で言えば劉邦みたいなタイプです、いや、劉邦よりも全然立派なんですけどね。こう、人が集うところは似ているかなと。

 

テロール先生の怪しい授業

既刊:3巻

 「幼女戦記」で大ブレイクしたカルロ・ゼン先生が原作の、現代テロリズムに関する漫画です。どちらかというと解説漫画に近い作品です。テロリズムとはどのようなものかという難しいテーマを上手く漫画に落とし込んでおり、石田点先生の個性的な絵がその魅力を最大限に引き出しています。世に解説漫画はたくさんあれど、その中でもこの作品は物語への落とし込みが上手く解説感・説教臭がほとんどありません。とても読み易いのです。特に教授のキャラクターは圧倒的で、こんな教授が居たら嫌だけど授業は受けてみたいと思わされます。まんまと教授の罠にハマってしまうのです。

 日本の教育には無い、国際情勢を理解する上で必要な視点がギッチリと詰まっています。テーマは難しくどこまで続けられるかが心配ですが、既刊はまだ3巻ですのでお求めやすい巻数です。ぜひ買いましょう。

 

血界戦線

既刊:10巻+9巻(掲載誌変更のため)

 最高峰の名作「TRIGUN」を生んだ内藤泰弘先生の連載作品です。作者のコンセプトは「技名を叫んでから殴る漫画」。男子ってこういうのが好きなんでしょ?という要素を煮詰めてギュウギュウに押し込んだ、時に人情、常に派手、ぶっ飛んだ世界観で繰り広げられる爽快なバトル漫画です。

 異界と人界が交差して結びつき一夜にして魔界と化したかつてのニューヨーク、今ではヘルサレムズ・ロットと呼ばれる街で血界の眷属(ブラッドブリード)から人々を守るため、秘密裏に暗躍する秘密結社ライブラの活躍が描かれています。凄い、むせ返るような中二臭!男子の中二心をくすぐり続ける内藤先生の作品が大好きです。

 ああ、しかし内藤先生の作品であればやっぱりTRIGUNも語りたい、ウルフウッドの生き様についておっさん同士で語り合いたい・・・しかし今回は連載作品縛り、我慢することにしましょう・・・

 

ドリフターズ

既刊:6巻

 時は1600年、関ヶ原の戦いで敗れた島津義弘を逃がすため、島津豊久は島津の退き口と後に呼ばれる必死の殿、捨て奸を行う。重傷を受けて瀕死の豊久の前に突然謎の門と眼鏡をかけた男が現れた。門に引きずり込まれた豊久の視線の先は、エルフやドワーフの居るファンタジーな世界であった。

 ファンタジー世界で島津豊久や織田信長、ハンニバル、スキピオ、ジャンヌダルクといった歴史上の偉人怪人が跳梁跋扈して争うという、やりたい放題の作品です。歴史オタクってこういうのが好きなんでしょ?はい、大好きです。

 設定上「遺体が見つかっていない、死が定かでない(漂流者・ドリフターズ)」もしくは「この世に恨みを残して死んだ(廃棄物・エンズ)」という人物に限定されていますが、まあヒラコー節の好き勝手絶頂という感じです、その気になれば誰でも出せそうな気がします。

 万人にはお薦めしがたいですが、ダークでオタクな漫画が好きな方にはぜひ。林田球先生の大ダークとどちらを紹介するか悩みましたが、大ダークはもう少し巻数が進んでからにしましょう。でもドロヘドロは絶対読んで!

 

最後に

 歴史オタクなため歴史漫画に少し寄った10選になりました。10選だと全然説明する紙幅が無いですし、やっぱり漫画は絵を見てもらわないと面白さを伝えにくいですね。さあ、とにかくAmazonの試し読みから読んでみてください!騙されたと思って!