忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

趣味だけど、だからこそ真面目に向き合いたい

 カレンダー通りにゴールデンウィークが終わってしまい久しぶりの仕事に邁進していたせいか、書こうと思ったことメモ帳が真面目な話やビジネス関係のことばかりになっています。

 これは良くありません。あまりにも急に真面目方向へハンドルを切り過ぎると疲れてバテてしまいます。熱いお風呂に入る時はゆっくりと入るように、運動する前には準備体操をするように、無理やりにでも軽い話をして慣らし運転を行いましょう。

 ゴールデンウィーク中に散々軽い話をした気もしますが、過去は振り返らない主義です。なにせ覚えていないので。

 

最近勉強を始めたこと

 嬉野流を学び始めました。なんか・・・凄く指しにくいんですけど。

 

下手の横好きという言葉に救われている

 少し説明をしましょう。嬉野流は将棋の戦法の一つです。

 数多ある趣味の一つとして、嗜む程度に将棋を勉強しています。やるからには多少なりとも強くなりたいとは思うものの、将棋の道は実に厳しいです。ずば抜けて頭の良い人々が幼少期から将棋だけを学び続けていてもプロとして活躍できるのは一握りしかいないような世界であり、ちょっと趣味で齧った程度では箸にも棒にも掛かりません。

 とはいえ将棋は思考力を鍛えるには良い趣味だと思っていますので、今後もちまちまと勉強は続けていきます。趣味の中でもお金が掛からないほうだと思いますし。

 

将棋から学ぶ

 素人の浅知恵ではありますが、将棋の本質は終盤、だと思っています。たとえどれだけ劣勢であっても相手の玉を詰ましてしまえば勝ちであり、逆に言えば相手の玉をしっかりと捕まえる技術が無ければ勝つことができません。

 終わりよければすべてよし、晩節を汚す、というような言葉もあるように、これは何事においても同様でしょう。如何に途中経過がみすぼらしくなろうとも最後までやり遂げて自らの求める結果を掴む姿勢が重要だと考えられます。

 では終盤だけでいいのかと言えばもちろんそんなことは無く、相手の玉を寄せるためには中盤がとても重要です。どうやって優勢を得て優勢を保つか、駒の働きを取るか駒得を取るか、まだ形勢を取り合うかそれとも終盤に持ち込むか、といった広い視野と先を読む思考が中盤には必須でしょう。中盤を上手く立ち回れなければ一方的に押し切られてしまい、そもそも終盤に持ち込むことすらできません。

 これも他の物事に流用できる考えです。誰しも何かをする時の最初は勢いで進むことができますし、終りが見えてくればラストスパートをかけることができます。しかし中盤はどうしても中弛みしてしまいがちです。しかしそこで中盤が疎かになると最後に辿り着くことができず、何事も成し得ぬまま終わってしまいます。中盤こそ知力と気力を尽くつつ、ただし終盤の分は残してペース配分を考慮する、といった緻密な戦略が重要なのです。

 じゃあ序盤はどうでもいいのかと言えばむしろ逆で、序盤はとにかく勉強が必要です。将棋の戦略は無数にあり、序盤の戦略で敗北してしまったり奇襲戦法を知らずに食らってしまうともう即座に敗北一直線です。知力を尽くす以前に知らなければそもそも土俵に上がれないのです。これが将棋の敷居を高くしている原因とも言えます。そしてそれら戦略は日々数多の棋士によって磨き続けられています。今日通用した戦略が明日通用するとは限らず、通用しなくなった戦略がふと蘇ってくることもあります。

 これも物事を始める時に活用できます。まずはガムシャラに始めるのも良いですが、先達の築き上げてきた知見を学び、しっかりとした土台を組み上げることには価値があります。むやみやたらと突っ走るだけでは最後まで辿り着くことは難しいものです。とにかく初めてみようというスタンスに価値があることも間違いではないのですがそれは短距離での話であり、遠くへ辿り着きたいのであれば下地をしっかりとしなければいけません。

 

 要は序盤・中盤・終盤、いずれも大切だということです。序盤はどれだけ研究しているか、中盤はどれだけ地力があるか、終盤はどれだけパターンを知っていて気力が残っているかが重要だと考えています。これは将棋に限らず何事にとっても同じだと言えるでしょう。そんな重要な要素を短い時間でカッチリ通して体験できるのが将棋であり、頭を鍛えるにはとても良いゲームだと考える次第です。

 ・・・軽い話のつもりだったのになんか重くない?

 

 

余談

 将棋を学ぶ上で一番重要だと思うこと、それは敗北時の分析です。ヘボな私は勝利なんて稀で大体は敗北するのですが、勝利は明確に分析しようがありません。それは大抵相手のミスであり、『相手が何を考えてミスしたか』はいくら考えたって分からないからです。

 それに対して敗北は明確です。多くは私のミスであり、駒の効きを見落としていたり手筋を読み違えていたり知らない戦法であったりと、理由をはっきり分析することができます。それらを1つずつ潰して改善することで、牛歩のようなペースではありますが徐々に上手くなっているのではないかと、そう期待しています。