忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

中堅くらいが一番面白い時期

 

 近頃は仕事が大変なことばかり話しているような気もしますが、別に嫌な訳ではありません。

 単純に疲れてはいるものの、まあ年齢的にも中堅として仕事が一番面白い時期ではあります。

 

裁量権と責任のアンバランス

 管理職は組織運営に責任を持ち、チームマネジメントや方針決定を行うことが仕事です。より戦略的なことを担当するようになり現場からは遠のきます。

 若手の担当者は現場で自身の仕事を完遂することが求められます。上からの指示に従うことが仕事であり、独創性は求められません。

 中堅の仕事はその間、未だ現場で自分の仕事はこなしつつも、リーダーシップを発揮して各所と協業し、上の方針に沿った行動を自律的に行うことが必要です。

 つまり中堅はある意味で自由度が一番高い仕事を担当していると言えるかもしれません。組織の大戦略を構築する時ほど様々なしがらみもなく、現場の担当者ほど細部が決まっていることもなく、上の方針をどう具体化するかの裁量が与えられつつもその結果の責任までは深く追及されない、そんなポジションです。

 

 戦略の階層で言えば、次のようになります。

戦略階層 意味・役割 関与する組織階層
① 世界観 組織の存在意義、理想像、価値観の体系。哲学的背景や世界に対する視座。 経営層、思想的リーダー
② 政策 世界観を具体化した長期方針。組織が取るべき姿勢・倫理・対外姿勢など。 経営層、上級管理職
③ 大戦略 政策を達成するための枠組み(複数の戦略の統合)。どのリソースをどう展開するか。 上級管理職〜部長クラス
④ 軍事戦略 明確な競争環境における力の行使の原則。競合との戦い方やドミナンス確保。 部長・課長クラス
⑤ 作戦 特定の目標達成のための実行プラン。キャンペーン、事業プロジェクトなど。 中堅・主任クラス
⑥ 戦術 個々の行動単位や交渉、施策の実施方法。現場での戦い方。 若手社員・現場リーダー
⑦ 技術 戦術を支える手段。スキル、ツール、手法、オペレーション。 若手社員・専門担当者

 

 政策や戦略の設定は自由度が極めて高いものの、大きな責任が伴います。

 戦術や技術は現場の創意工夫の範囲であり、自由度があまり高くありません。

 作戦はその中間で、自由度が高い割にそこまで責任が重くありません。

 

 将棋で例えるならば、経営層や管理職は棋士であり、若手は駒です。

 そして中堅は自ら動くことが可能な駒と言えます。

 程よく個人がコントロールできる範囲の裁量権を与えられるわけで、自分の能力に自信がある人であれば極めて愉快なポジションだと言えるでしょう。

 

結言

 私はまさに企画部門で中堅の仕事をしています。上の決めた戦略に基づき自らプロジェクトを企画し、各所を巻き込んでその実現を図ることが仕事です。全社的な戦略を決めるほど大変でもなく、命令に従って手を動かすだけの駒でもなく、程よい自由があります。

 まあその分忙しくはありますが、楽しい時期です。