昨日は久しぶりに自宅のネットワークでトラブルが起きました。
ネットワークトラブルは面倒なものだとメカ屋の私は思います。なにせメカと違って電子は故障や障害箇所が目に見えにくいためです。もちろんメカの故障箇所だって専門家以外からすれば分かり難いものでしょうが、何はともあれ電子は専門ではないので少し及び腰になります。
まあ仕方が無いのでちゃっちゃと解決しましょう。
着手の順序はとても大切
この手の問題を解決するためには問題の切り分けがとても重要です。問題を切り分ける思考を持たずガムシャラに手を出しても問題解決は遠のくばかりとなります。
問題の切り分けとは問題事象が生じた際に要素を分解していってどこに原因があるかを突き止めるための発想法です。MECEや5W2H、4Mやロジックツリーなど問題解決手法のうち原因分析で用いられる様々なフレームワークは問題の切り分けを適切に行うためのものだと言えます。
今回のような自宅のネットワークトラブルを事例とすれば、端末側が悪いのか、ルーターやモデムの故障か、その先のネットワーク業者側に問題があるのかといったようにどこに原因があるかを切り分けるための行動や発想が問題の切り分けです。
さて、問題の切り分けでは重み付けをして重要箇所から手を付けるパレード分析的な発想に陥りがちですが、問題解決においてそれは必ずしも最適解ではありません。現実には着手しやすいところから手を付けることが適切な場合が多々あります。
例えばネットワークトラブルにおいては「ルーターやモデム、LANケーブルの故障や断線」が上位の原因として挙げられます。実際、特に変更を加えず今まで問題のなかったネットワークに支障が生じた場合、機器の故障を疑うことは妥当ではあります。
しかし真っ先に機器の故障を疑って新しいものを買ってくるのでは時間や金銭に負担が生じますし、それによって問題が解決しなかった場合はただの無駄遣いとなります。それよりも金銭的な負担が生じず短時間でさっとできることから着手した方が無難です。
今回の私の事例では、まず真っ先に配線を全部外してルーターやモデムの電源を落としました。なにせ放電はタダですぐに実行できる対策だからです。
残念ながら今回はそれでは解決しなかったので、次は無線と有線の機能チェックです。確認したところ無線通信は通常通り機能しており、繋がっていなかったのは有線だけでした。つまりルーターより手前側には問題ないことがここまでで切り分けられます。原因はPCかルータかLANケーブルです。
次にLANケーブルを別のPCに繋いでネットワークが生きているかを確認しました。これで繋がるようであればPCに問題があり、繋がらないようであればLANケーブルかルーターの有線機能に問題があることが分かります。
幸い別のPCではネットワークが繋がったので、これで原因は主PCにあることが分かりました。これで繋がらないようであればLANケーブルの交換を試すところでしたが、そこまでは不要なようです。
恐らく何かしらのアップデートか設定が原因でしょう。いずれにせよPCの設定に関わる部分ですので完全シャットダウンを実施します。
結果、完全シャットダウン後は問題なくネットワークに繋がるようになりました。
このように、問題の切り分けではタダで簡単に実施できる範囲から問題がどこにあるかを探っていくことが現実には有効です。ルーターやモデムの故障を疑って新しいものを購入する、そういったことは確かに効果的な対策ではありますが、順序としては最後のほうとなります。
結言
問題の切り分けと言えば、以前に職場の固定電話が鳴らなくなった時のことを思い出します。
若手「なんか、自分の席の電話が鳴らなくなりました」
私「ん、それは故障だね」
若手「電話線が原因かもしれませんので、床下の配線を交換するために床を引っぺがしていいですか?」
私「え、いや、なんでそんなヘヴィな所から手を付けるのさ。確かに電話線は疑うべき対象だけどさ、まずはほら、俺の席の電話と交換してみなよ」
若手「分かりました・・・あ、鳴りました」
私「じゃあ電話線じゃなくて電話機が原因だね。多分電池切れだから総務に行ってきな」
問題が生じている全体のうち一部だけを交換して変化を確認する行為は原因を突き止めることが容易になります。交換しやすいところを試しに交換してみる、そのためには問題の切り分け思考が必要であり、どの順に着手してどう分析するかが原因分析の勘所だと言えるでしょう。