忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

昨今の国際情勢において、韓国は明確に日本の味方である

 

 日曜日の午前中。

 用事があって降りた駅で、朝っぱらからお酒を呑んで酔っ払ったオジサン達が「韓国は敵」みたいなことを叫んでいました。近頃はあまり見かけなくなったタイプの右派です。

 まあ個人がどの国を好こうと嫌おうと自由ですし、国家に真の友人は居ないものではありますが、敵味方となると別の話であり、少なくとも現在の情勢において韓国は明確に日本の味方です。嫌いなだけであれば個人の感情ですのでともかく、敵だとした認識は合理的に見て間違えています。

 

キーワードは台湾有事

 さんざっぱら報道されていますので誰もが知っているように、台湾有事の懸念を筆頭に現在の東アジアは地理政治的な火薬庫です。そもそも朝鮮半島では終戦しておらず、いつでも戦争が再開するリスクが燻っている程度には高リスク地域です。

 熱戦が勃発するリスクはそこまで高くは無いものの、エスカレートを避けるために関係国が適切にコントロールする必要があります。

 

 台湾有事に関する報道では中国・アメリカ・台湾・日本が主なプレイヤーとして語られていますが、各所の機関やシンクタンクが分析しているように「韓国」と「北朝鮮」も厳然たる影響力を持つプレイヤーです。

 例えば、可能性は低いですが、もしも中国が台湾への軍事侵攻を決意して実行した時、北朝鮮は日本と韓国への攻撃を示唆します

 これは政治的・軍事的にほぼ確実なイベントです。

 

 以前抄訳したCSISの記事を再度持ってきましょう。

 台湾海峡での戦争における中国の最重要目標の一つは米国と日本を無力化することであり、それが失敗すれば、台湾支援能力を可能な限り削ぐことである。同じことは朝鮮半島にも当てはまる。北朝鮮の宿敵は日本ではなく韓国である。韓国こそが北朝鮮を吸収し、半島を統一する潜在的能力と意思を持つ唯一の国であり、北朝鮮にとって存在的脅威となり得る唯一の存在である。有事の際、北朝鮮は米国と日本を戦争から遠ざけるために核兵器やミサイルを使用、あるいは使用を脅すだろう。ここでも北朝鮮が日本を攻撃するのは、日本そのものを標的にするためではなく、日本を無力化し、あるいはそれができない場合には、韓国防衛に従事する米軍を支援する日本の能力を削ぐためである。

国際戦略研究所CSISが語る日本の安全保障戦略の抄訳 - 忘れん坊の外部記憶域

 CSISに限らず各所の機関・シンクタンクが分析しているように、戦争初期段階で日本に展開する米軍・自衛隊の戦力の大部分を破壊しない限り、中国が台湾を制圧することは困難です。

 よって中国の軍事指導者からすれば同盟国である北朝鮮にも動いてもらい、二正面に見せかけることで防衛側の戦力を分散することは当然取るべき戦略となります。運良く日本の参戦意志を挫ければ在日米軍の初動が鈍り、戦力差から台湾を蹂躙できる以上、中国としては北朝鮮にカードを切らせますし、北朝鮮も乗らない理由がありません。

 もちろん実際にミサイルを落とす必要もなく、これはただ脅すだけで効果が見込める単純な策略です。

 

 つまり、台湾有事において北朝鮮はロシア・ウクライナ戦争におけるベラルーシくらいには動きます。直接参戦せずとも、側背をいつでも突けるとして日米韓のリソースを奪う役割です。それは充分に脅威ですし、実際に北朝鮮が軍事力を行使しないと分かっていても警戒するためのリソースを防衛側は割かなければなりません。

 台湾有事の際は台湾近傍なんて狭い範囲ではなく、日本列島や朝鮮半島も前線となり得ます。

 そのために近年の日米韓は共同演習などを行って必死に連携を強めて抑止力を高めているわけで、韓国は明確に自由主義陣営サイドの味方です。

 

結言

 他国の好き嫌いは個々人の自由ですが、敵味方で言えば、韓国は日本の味方サイドです。